「クリスチャン・ディオール」が「ギンザ シックス」出店記念に開催した17年春夏オートクチュール・コレクションのショーの様子(2017年4月19日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】仏高級ブランドグループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(Moet Hennessy Louis Vuitton、LVMH)が、「世界でもっともアイコニックなブランドの1つ」である「クリスチャン・ディオール クチュール(Christian Dior Couture)」を傘下に置くことを予定している。過去5年間で売り上げを2倍以上に伸ばした同ブランドの「高成長の見込み」を制御するためだ。

 LVMHはすでに「パルファン・クリスチャン・ディオール(Parfums Christian Dior)」を所有しているが、今回レザー製品やオートクチュール、レディ・トゥ・ウェア、ジュエリー、そしてシューズを含めた「クリスチャン・ディオール クチュール」も70億ドルで買収することに合意した。この声明は、普段は変化の少ないパリの株式取引で、LVMHの株価を約3パーセントも上昇させた。

 LVMHの74パーセントを既に保有しているアルノー(Arnault)家のグループ会社が、残りの26パーセントの取得することで完全子会社化するとLVMH側は語る。LVMHの最高財務責任者であるジャン=ジャック・ギオニ(Jean-Jacques Guiony)は、この動きは現在の株主組織を能率化し、共同作用を促すだろうと電話取材で語った。

 現在「クリスチャン・ディオール クチュール」は完全に「クリスチャン・ディオールSA」が保有しているが、全額出資の子会社にすることでLVMHはその「高成長の見込み」を実現させようとしている。この取引はLVMHと世界でもっとも象徴的なブランドとを合体させ、「クリスチャン・ディオール クチュール」と「パルファン・クリスチャン・ディオール」を再編成させると声明で発表された。

 70年前に創立された「クリスチャン・ディオール クチュール」は「世界でもっともアイコニックなブランドの1つ」だとLVMHは語る。その商品は世界中の198もの高級ブティックで売られている。売り上げは過去5年間で2倍以上になり、昨年は20億ユーロ以上の総収入を得て、2億7000万ユーロの利益をもたらした。

■LVMHにとって成長の源

 その歴史と高い将来性を強みに、「クリスチャン・ディオール クチュール」はLVMHの成長の源になるだろうとLVMHは語る。「『クリスチャン・ディオール クチュール』の発展は、近年の新しいクリエイティブな勢いと、アメリカ、中国、そして日本に捧げられた大きな出資に支えられるだろう」

「ディオール」とLVMHの取締役及び取締役会はこれらの計画に「満場一致で賛成」したという。「このプロジェクトはグループにとって重要な出来事だ」とLVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長は語る。「この取引は、マーケットからの以前からの要望されていた組織の簡易化と、LVMHのファッションとレザーグッズの部門の増強を可能にした。それらは私のグループへの責任と、LVMHとそのブランドの長期にわたる将来の見通しへの自信を強めている」

 アナリストたちもこの売買を長く待ちわびていた。「いくつかのポジティブな点がある」と「ヘキサンBNPパリバ(Exane BNP Paribas)」のアナリストであるルカ・ソルカ(Luca Solca)は語る。「LVMHの有価証券一覧と、累積された成長に、強いブランドが手ごろな価格で加わることになる。さらにLVMHとしては必要ないブランドを買収する潜在的なリスクを減らすことになる」と専門家は語った。

「ディアマン・ブルージェスティヨン(Diamant Bleu Gestion)」のダニエル・ラチュール(Daniel Larrouturou)はAFPの取材に「この動きは、マーケットからは建設的にとらえられている。なぜなら株の思索的な価値を上昇させるからだ」と答えた。
【翻訳編集】AFPBB News