月や火星のダストから3Dプリンターで作られたツールやブロック


火星にある塵やホコリが、その星では大切な資源になるのかもしれません。

火星を植民地化するにあたって解決すべきたくさんの課題の1つは、地球上で頼っている多くの天然資源が欠けていることです。生き延びるにはできるだけ必要なものを持っていかなければなりませんが、宇宙船に詰め込める量は限られています。そこで科学者たちは、この惑星の最も豊富な資源の1つ、すなわちダスト(塵、ホコリ)を利用する方法を開発しているのです。

手頃な価格の3Dプリンターは、細いプラスチックを溶かし、押し出すことでモデルを作り出します。もちろん火星にはプラスチックなんかありませんが、酸素や水、その他の必需品を輸送するための貴重なスペースを費やしてまで宇宙船に3Dプリンター用の原材料であるフィラメントを満載することはできません。そのため米ノースウェスタン大学マコーミック工学院の科学者たちは、月や火星のダストのような地球外物質を3Dプリンター用材料に変える方法を開発しました。

地球に落下した隕石から火星がどのような物質でできているのか予測はつきましたが、その表面を覆うチリやホコリの実際のサンプルはありません。その代わりに、ノースウェスタン大学の科学者は火星のダストを構成する小粒子に形状と大きさが一致するNASA公認の試験用の模擬物質(別名:偽塵)に依拠することにしたのです。

研究者が開発した乾燥状態でダストを固めるバイオポリマー(生体高分子)と溶媒を混合させると、3Dプリンターの原材料となり、火星に必要なものを作ることができます。科学者たちが作ったパーツにはレゴのようなブロックもあり、これを組み立てれば簡単に楽しく家が作れるのではないでしょうか。印刷は火星の材料に完全に依存できるわけではありませんが、90%以上がダストからできた資源でものづくりが可能なため、宇宙船で運ぶ原材料を削減できるのです。

3Dプリンターが宇宙飛行士の必需品となるまでの道のりは長いでしょう。もしも20時間くらい稼働してダメになってしまうような機械なら、地球ではポンコツ扱いで片付けられたとしても火星では生死を分けることになるのかもしれません。宇宙飛行士の着陸後に起こりうるシナリオのすべてを想定して荷造りするまでもなく、3Dプリンターでちゃちゃっと家を建てられるなんて、火星がちょっと近くなったような気がしますね。


top image: Northwestern University
source: Northwestern University via Treehugger

Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文]
(Glycine)