決選投票を数日後に控え、仏北部エンヌマンを訪れたマリーヌ・ルペン氏(2017年5月4日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】フランスの次の大統領を決める決選投票では完敗したものの、マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏率いる極右政党「国民戦線(FN)」は、今後の政治的展望にさらなる足跡を残し、主流派への歩みを確実にした。

 7日の選挙では、移民排斥や反EUなどの公約を掲げたルペン氏の得票率が過去最高の34%に上り、得票数では1060万近い票を獲得した。

 これは、保守派のジャック・シラク(Jacques Chirac)氏が圧倒的な勝利を収めた2002年仏大統領選の決選投票で、ルペン氏の父親であるジャンマリ・ルペン(Jean-Marie Le Pen)氏が獲得した得票数のほぼ2倍だ。

 10%前後の水準でとどまっている失業率やイスラム過激派による一連の大規模襲撃事件、主要政党を巻き込んだ数々のスキャンダルといった問題に直面するこの時代にあって、FNが掲げるフランス第一主義は多くの地域で支持されていることがこの選挙で明らかになった。

 移民の入国制限や安全のための取り締まり強化、そして保護主義の推進といった考えは、経済が低迷する地方でより受け入れられた。

 父の後を継いで2011年にFN党首となったルペン氏は、党のイメージを一新することに取り組んだ。その努力は報われ、いくつもの地方選で成功を収めた。そして7日の決選投票では、歴史的な得票につながった。

 この結果について、歴史家のニコラ・ルブール(Nicolas Lebourg)氏は左派日刊紙リベラシオン(Liberation)に「ありのままに評価されなければならない。フランス社会における極右支持が普通になったということだ」と書いている。

 同時に、FNが掲げる移民に対しての強硬路線やフランスのアイデンティティーを守るといった考え方は、主要政党の政策の中にもみられるようになった。

 ルペン氏は決選投票を前に、他の政治家と初めて同盟を結んだ。相手は、第1回投票で落選したニコラ・デュポンエニャン(Nicolas Dupont-Aignan)氏。大統領に選ばれた際には、右派でEU懐疑派の同氏を首相に据えると約束した。

 この同盟は、FNがもはやフランスの主流に近い政党の中で「のけ者」扱いされなくなったことを意味する。

 ルペン氏は決選投票で敗れた後、6月の議会選へ向けてFNの「抜本的改革」が必要だと述べた。彼女の側近の一人は、党名を変更する可能性にまで触れている。

 目標は議席数を大幅に拡大すること。現在、FN所属の国会議員は2人しかいない。
【翻訳編集】AFPBB News