錦織圭【写真:Getty Images】

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マドリードOPでツアー復帰、カギは初戦「本来の状態を確認する試金石となる」

 男子テニス世界ランキング8位の錦織圭(日清食品)は6日(日本時間7日)に開幕したATPツアー1000、マドリード・オープンで、右手首の故障からツアー復帰を果たす。スペインのスポーツメディア「VAVEL」は、錦織が現地で取材に応じ「手首の状態は良くなっている」と復調に自信を示したことを紹介。一方、記事では「今季は決していいスタートを切れたとは言えない」と記述し、現状を分析している。

 同メディアは、錦織にとってマドリード・オープンが「お気に入りの大会の一つ」として過去の実績を紹介。2014年には決勝進出。クレーコートで圧倒的な強さを見せるラファエル・ナダル(スペイン)と対戦し、第3セットで途中棄権することになったが、6-2、4-6、0-3と一歩も引かない善戦を見せたとしている。

 また、15、16年は2大会連続で準決勝進出。それぞれ敗れた相手は、アンディ・マレー(イギリス)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)と現在の世界ランク1位と2位の相手ということもあり、マドリードを得意としていることを振り返っている。

 しかし、今年に入ってのパフォーマンスについては、例年よりもスロースタートになっていることに触れている。

負傷の影響ぬぐえず「肉体的な問題がプレーに継続性生むことを妨げている」

「日本人選手にとって、シーズンがベストのスタートを切れたとは言えない。彼は肉体的な問題を抱え続けており、彼のプレーぶりに継続性が生むことを妨げている」

 負傷の影響があると分析し、今年獲得したツアーポイントは840ポイントで、16位に留まっていることも指摘した。

 それでも、錦織への期待が低いわけではない。記事では、アルベルト・ラモス(スペイン)とディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)の勝者と初戦を迎えることを紹介した上で「この試合は、彼の本来の状態を確認するための試金石となるのは間違いない」と展望している。

 今大会にはマレー、ジョコビッチ、ナダル、そして、世界ランク3位のスタン・ワウリンカ(スイス)、同6位ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、同7位マリン・チリッチ(クロアチア)ら錚々たる顔ぶれがそろった。全仏オープンを控えての格好の前哨戦で、錦織は本来の躍動感あふれるプレーを見せられるだろうか。