『テラスハウス アロハステート』ハワイ編のエピソードシーズン3の7、23話She's Not Much of a Nature=Loverの巻。


【魁と大志のデート最終対決】
いよいよ魁と仁希のデートだ。

大志が、パーフェクトなデートらしいデートをしている後なので、ついつい比較して観てしまう。

たとえば、デートに行く前。
「おはよう」
「てか貝拾うから箱いるかなー」
箱を探す。大きなダンボール箱を見つける。
「そんな拾うん? デカくない?」
これでいいよ、と魁。
まったく気を遣う様子はない。

大志は、デート前に、まず「いい感じじゃん、似合ってるよ」と褒める。
さらに、仁希が起きてくる前に、仁希の好きなコーヒーを買ってきているのだ。
そのコーヒーを、さっと差し出す。
そして、「朝ごはん食べた? バナナあるけど」とバナナもある。
この時点で、仁希はとても嬉しそうな笑顔になる。

とはいえ、魁がダメかといえば、この時点ではそんなことはない。
仁希も、魁といるときのほうがリラックスして、楽しそうだ。

練られたプランと誘導で、パーフェクトなデートを演出する大志。
あくまでも自然体で、いっしょに楽しもうとする魁。

気持ち的には、魁のデートを応援したい。
応援したいのだが……。

【自然を感じるデート】
ビーチに到着。
魁「探検探検 パラソルつくろうよ」
気の抜けた感じ、楽しい。

木の枝を集めて、砂浜に埋める。
魁「で、こいつ掛けるみたいな」
タオルを掛ける。
魁「よくない?」
だが、仁希は退屈しているようす。
こういうのもいいんだけどなー、と援護しながらも、仁希の表情を見てYOUさんとトリンドルさん「同級生かなー」「友達かもなー」。
「こういうの年齢重ねていかないと無理なんですかね」

魁が、ビーチにいる男2人を見つける。
魁「魚突きに行くのかな?」とウキウキしはじめる。
魁「ついってってみようかな俺」
仁希「ついていかせてくださいって?」
仁希が言い終わるか終わらぬかのついに、魁は、走って、男のところへ。
えええー。置いきぼりの仁希は呆れ顔だ。

さらに。
魁「みかん食べようぜ。持ってきて―」
オーケーと答えて、取ってくる仁希。
置き方が、ガシャン、乱暴だ。
魁がサーフィンしてる様子を見てるときも、退屈そう。
あくびしている。

映像をスタジオで観てるみなさんも、魁のデートを応援していた。
「超楽しくないっすかー?」「年齢を重ねないと無理なのかなー」「楽しみたいんですよね」「そんなんばっかり思い出に残るんですけどね。完璧なデートって意外と残らないけどね」「ぜんぜんいいじゃーん。でも、毎日これじゃいやだよ」

【編集した映像と、実際の時間】
でも、我々は編集した映像を観てるから、応援できるだけなのかもしれない。
なにしろ、この後、このデートが10時間もあったことが判るのだ。
「楽しかった?」
「長かった。10時間」
「そりゃ疲れるわ」
「何であんな小屋づくりに時間かけたんか判らへんわ」

この後も、
「小屋作り、何が盛り上がったの」
と、大志が、魁に質問すると、さえぎって仁希が答える。
「盛り上がってないんだって、だから。だから長かった」

はからずとも、「ぜんぜんいいじゃーん」と言ったYOUさんがその後「でも、毎日これじゃいやだよ」と補足した、その「毎日これなんじゃないか!」という予感を仁希は感じとったに違いない。
リラックスして、素を出してくれているデートで、これだと、「ついていけない」と判断したのだ。

これは、しょうがない。
相性ってあるから。
サーフィンの師匠の和田さんと話してるときに、魁は言った。
魁「もっと自然を感じてくれたらいいかなーって思った」
「俺のデート」をしたけれど、楽しいと思うところが合わなかったのだ。
「あのデートのあとから多分、怒ってるんだよね、仁希が」
それは、それで、しょうがない。
和田さんがカッコいい。こう言っていた。
「失敗を気にしちゃ何もできない。それをフォローしてさ何かちょっとさ笑顔にさせてあげたいじゃん、怒ってるのを。別に好きじゃないにしろ好きでも、どっちでも」

【いったいデートとは何なのか】
大志のすごい練られたデートが、映像を観てるこちら側に不評なのは、「俺のデート」感がないからかもしれない。
完璧な、マニュアル通りのデートに見えてしまう。
編集された映像で俯瞰して観ているので、そこが強調されてしまう。
大志のしたいことや、大志らしいことが、伝わってこない。
相手の好みを調べて、相手を褒めて、相手に気持ちよくサービスして、相手に尽す。
それが、大志の素なのならいいのだが、そのようには見えない。
大志が、「死ぬほどの恋愛」の相手じゃないと判断すれば、そのサービスは終了する。
相性が合うか合わないか、デートしても、わからない。
結果、ふたりが付き合うべきかどうかを、大志だけが判断する状況になってしまう。
だから、大志が、次々とデートして、新しい女の子に目移りしているのが、ひどい仕打ちに見えてしまう。

そのせいで、われわれは、自然な自分を出す魁のデートを応援したくなる。
のだが、枯れ枝集めてぶっさしてタオルかける小屋作りをえんえんやるのがメインの10時間デートは、まあ、さすがに「しょうもないんだって」と言われてしまうのだ。
デートって、むずかしいっすねー。
(テキスト&イラスト:米光一成