米国の市場調査会社、IDCがこのほど公表したタブレット端末市場に関するリポートによると、今年(2017年)1〜3月期における米アップルの出荷台数は、890万台となり、同社は市場で首位の座を維持した。

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iPadは13%減少

 アップルに次いだのは、韓国サムスン電子の600万台。このあと、中国ファーウェイ(華為技術)の270万台、米アマゾン・ドットコムの220万台、中国レノボ・グループ(聯想集団)の210万台と続いている。

 ただ、このうち出荷台数が1年前の同じ時期を上回ったのは、ファーウェイの1社だけ。アップルの出荷台数は、1年前から13.0%減少しており、これら上位メーカーの中で最も落ち込みが激しかった。

 市場全体における1〜3月期の出荷台数は、3620万台で、1年前から8.5%減少。タブレットの出荷台数は10四半期連続で前年実績を下回った。またアップルの「iPad」は13四半期連続で前年実績を下回った。

最悪レベルの落ち込み

 IDCによると、タブレット市場と呼ばれるものは、アップルが初代iPadを発売した2010年に創出された。出荷台数はその後2013年まで急速に伸び、他の消費者向け電子機器には見られない高い成長率を達成した。

 その一方で、消費者は、最新モデルへの買い替えにあまり意欲的でなく、中にはタブレットをまったく買わなくなったという消費者層も現れた。

 こうした消費者動向と時を同じくして、タブレット市場はピークに到達。2014年からは減少が始まった。IDCによると、その落ち込みの度合いは、パーソナルコンピューティング機器の歴史の中で、最悪レベルと呼べるものの1つだという。

 同社はその主な要因として、消費者のスマートフォンへの依存の高まりを挙げている。

生き残れるのはデタッチャブル型のみ

 IDCは、タブレット市場を「スレート型」と呼ぶ従来型端末と、着脱式キーボードが用意されている「デタッチャブル型」の2つのカテゴリーに分けて分析しているが、この2種類のタブレットはまったく異なる方向へと進んでいるという。

(参考・関連記事)「落ち込みが止まらない、世界タブレット端末市場」

 前者のスレート型は、2014年にピークに達したあと、減少が始まり、現在は急減少中。そして、この状況は今後も続くだろうとIDCは予測している。

 一方、デタッチャブル型の市場は引き続き成長しており、その多くはノートパソコンと共通点を持つ製品へと進化しつつあるという。

 デタッチャブル型には、米マイクロソフトの「Surface Pro」やアップルの「iPad Pro」といった製品があるが、IDCによると、アップルはこのカテゴリーでも首位の座を保っている。そして、アップルは今後もこの分野で首位の座につきながら、競争力を維持できるだろうと、IDCは分析している。

筆者:小久保 重信