栄養士が教える!便秘のときに食べたいフード
お腹が張る、スッキリしない……など、便秘はそれ自体辛いものですし、時に健康や美容にまで影響を及ぼします。そんな便秘には、食べものの力を借りるのが大きな助けとなります。
今回は管理栄養士の筆者が、なかなか解消されない便秘の時にとりたい食材についてご紹介したいと思います。
食物繊維には、水溶性と不溶性がある便秘解消のための栄養素というと、まず浮かんでくるのが食物繊維ではないでしょうか。しかし、一口に食物繊維といっても水に溶ける“水溶性”と水に溶けない“不溶性”があり、それぞれ働きが違います。
水溶性は主に果物や海藻に多い食物繊維で、水に溶けるとゲル化して便を柔らかくし、スムーズに排便へと導いてくれます。
一方、不溶性の食物繊維は主に穀物や根菜、豆類に含まれるもので、お腹の中で膨らみ、便のカサを増して腸に刺激を与え、排便を促してくれる特徴を持っています。
食物繊維をとるときの注意点と、他にとりたい食べ物https://www.shutterstock.com
例えば、すでに玄米や野菜などでしっかりと食物繊維をとっているはずなのに便秘が解消されないという方は、不溶性の食物繊維に偏っている可能性もあります。不溶性の食物繊維はとりすぎると、余計にお腹が張る原因にもなるので注意が必要です。
また、食物繊維の他にも腸の調子を整える発酵食品やオリゴ糖を含む食べもの(バナナ、玉ねぎ、はちみつなど)も取り入れたい食品です。
便秘のときにお勧めの食べ物それでは、具体的にお勧めの食べものをご紹介していきましょう。
(1)もち麦
昨今ブームにもなっているもち麦ですが、流行るのも納得です。なんと、玄米の3倍もの食物繊維を含んでいます。しかも玄米は不溶性食物繊維がほとんどですが、もち麦は両方ともバランス良く含んでいるのも魅力です。
実際、筆者ももち麦を食べた翌朝にすぐに効果を実感しましたし、お客さんで勧めた方からも「次の日の朝にスッキリ!を実感できました」という声をいただいています。
(2)具だくさんの味噌汁
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まずは味噌自体が発酵食品なので腸を整えてくれることと、具だくさんにすることで一品でたくさんの食物繊維をとることが手軽に実現できます。
特にオススメの食材が、じゃがいもとごぼうです。この二つは水溶性と不溶性を同じぐらい含んでいてバランスが良く、特にごぼうは食物繊維の量自体がずば抜けています。他にも、しいたけやしめじなどのきのこ類やわかめなどの海藻類も組み合わせたい食材です。
(3)ドライフルーツ
果物自体も二種類の食物繊維を両方含む優良食材ですが、それを乾燥させることで成分が凝縮されるので、一つパクッと口に入れるだけでたくさんの食物繊維をとることができます。特にいちじくやプルーンなどがオススメです。
ナッツも食物繊維が多いので、一緒にとるのも良いですが、ナッツだけだと不溶性に偏るので、ドライフルーツとの組み合わせがオススメです。水分も合わせてとるようにしましょう。
今回は便秘のときにとりたい食べものについてご紹介しました。お腹の調子がイマイチだな……と感じたときには、ぜひ試してみてくださいね。
【画像】
※ Dean Drobot , DONOT6_STUDIO , AS Food studio / Shutterstock
【筆者略歴】
圓尾和紀
“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。TVや雑誌の出演、講演、執筆、カウンセリングなどで活動中。「カラダヨロコブログ」は月間アクセス20万以上。著書“一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方”が2017年4月24日に発売予定。