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●自信に満ちあふれる
ソニーは5月8日、薄型テレビ「BRAVIA」の新製品発表会を開催した。CESでも注目を集めた4K有機ELテレビ、BRAVIA「A1シリーズ」や液晶テレビなど、5シリーズ12機種を6月10日から順次発売する。全モデルでHDR(ハイダイナミックレンジ)への対応をうたっており、本格的な4K HDR時代の到来を印象付ける内容だ。

今回発表された新モデルのスペックや価格など概要については、個別の記事を参照して欲しい。本稿ではこの夏商戦の目玉となるA1シリーズを中心に、発表会の様子をお届けする。

開会に際して壇上に立ったソニーの高木一郎執行役EVPは、開口一番、「たゆまぬ商品開発と生産から販売に至るエンドトゥエンドのオペレーションの強化により、テレビ事業の収益は年々改善している。2017年も更なるソニーの進化に期待して欲しい」と力強く語った。

この自信に満ちた姿勢の背景には、2012年にいち早く4Kテレビを商品化して以来、ここまで常に業界をリードしてきたことや、熾烈な世界市場で高い競争力を示してきたことなどの自負が感じられる。

2017年のテレビ事業の商品戦略については、従来の(1)臨場感、(2)デザイン、(3)使い勝手の3つの軸を変えることなく、それぞれ進化させていくと話す。

特に高画質、高音質による臨場感を実現するうえで、大きな武器となっているのが、進化した4K高画質プロセッサー「X1 Extreme」だ。有機ELテレビと液晶テレビの双方に最適化した状態で搭載しており、HDRコンテンツの視聴に最適な画質を提供するという。

続いて壇上に昇ったソニーマーケティングの河野 弘代表取締役社長は、BRAVIA初の4K有機ELテレビとなる「A1シリーズ」をアンベール。有機ELならではの、黒が引き締まった高コントラストな画面、有機ガラスを振動させて音を出す独自技術のアコースティックサーフェス、狭額縁とスタンドレスの新しいデザインなどにより、「新次元の没入体験を実現した」と述べた。

●Android TV 7.0搭載、音声検索が大きく進化
ハードウェアの新しさだけではない。Android TVは最新バージョンであるAndroid TV 7.0を搭載。独自の音声解析アルゴリズムを採用した「音声検索」が進化して、リモコンからの音声操作で録画予約が可能になったほか、小画面表示やタスク切り替え、かんたんメニューなど、スマートフォンライクな操作性がますます充実している。

河野社長の報告によれば、インターネットに接続してコンテンツを楽しむのが当たり前になってきたことで、テレビの平均視聴時間が月に10時間以上伸びているという。また、前述の音声検索機能は約7割のユーザーが利用しているそうだ。

これはつまり、地上波の番組をなんとなく流して観る旧来型の視聴スタイルから、自分の観たいコンテンツを積極的に選んで楽しむ新しい視聴スタイルへと移り変わってきているということであり、BRAVIAがインターネットや新しい技術に高い親和性を持つユーザーに支持されていることが伺われる。

「これから買うテレビはこういうテレビだと提案していく」(河野社長)。

体験スペースでは、A1シリーズの65V型と55V型を並べて展示していた。目に見えるスピーカーユニットやスタンドがないことや、狭額縁なこともあり、空間に映像だけが浮かんで見えるようなデザインになっている。4Kの解像感と有機ELならでは締まった黒による迫力は、やはり55V型以上の大きい画面でこそ引き立つと感じる。

アコースティックサーフェスは画面そのもので音を再生するため、画面で描画されている音の発生源がよく分かり、音声の移動などもリアル。実機のデモは風景の映像に音楽の再生が当てられていたので分かりづらかったが、映画やスポーツのようなコンテンツなら目で音を追う楽しみも味わえそうだ。

A1シリーズの反応次第では、液晶テレビのラインナップにこのアコースティックサーフェスを採用したモデルが登場する可能性もあるだろう。今後の展開を楽しみにしたい。

なお、5月8日から、全国のソニーストア(銀座、札幌、名古屋、福岡天神)でA1シリーズの先行展示を開始しているほか、6月11日までソニーストア シアタールームにて特別体験会も実施している。

家電量販店の店頭でもしっかり訴求していくとのことだったが、やはり音の体験に関しては騒がしい店頭は分が悪い。気になる向きはぜひソニーストアを利用してみて欲しい。

(諸山泰三)