三菱自動車、17年3月期は営業黒字30億円、日産との提携効果 (c) 123rf

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 三菱自動車工業の2017年3月期の連結業績は、売上高が前年比16%減の1兆9,000億円、営業黒字は30億円を確保できる見通しとなった。2016年4月に燃費試験の不正が明らかになり、2016年3月期の決算報告で2017年3月期の業績予想が発表できないという異例の事態となっていた。2016年10月28日に発表された通期業績見通しでは、売上高1兆8,400億円、営業利益は▲276億円であったため、大幅に改善したことになる。

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 過去の動きから今期の三菱自動車の営業成果を振り返る。

■三菱リコール隠し事件

 2000年7月に三菱自動車が約69万台の乗用車、バス、トラックの不具合を、23年間にわたり隠していたことが明らかになった。組織的なリコール隠しが判明し、市場の信頼を失い販売台数が激減、三菱グループ主導で再建することが決まった。2005年1月には日産自動車と事業提携を結び、日産に年間3万6,000台の自動車を供給することが決まった。

■燃費試験の不正事件

 2016年4月燃費を実際より良く見せるため虚偽のデータを提出していたことが明らかになった。提携先の日産が燃費を実際に測定したことにより三菱自動車の不正が発覚。これにより多くの消費者が欺かれていたばかりではなく、エコカー減税で税金をごまかしていた疑いも出てきて会社存続の危機に直面することになった。2016年4月27日に行われた2016年3月期の決算発表で、2017年3月期の業績見通しの発表が中止される異例の事態となった。

■日産自動車との戦略的提携

 リコール隠し事件で業績回復途上の三菱自動車にとって、燃費試験の不正事件は致命的な打撃であった。その時に手を差し伸べたのが自動車の供給契約を結び、今回の燃費試験の不正事件の発覚のきっかけとなった日産であった。

 2016年5月12日に日産と戦略的アライアンスを締結した。その内容は、「過去5年間のパートナーシップをさらに発展させる。購買、車両プラットフォームの共用、新技術の開発分担、生産拠点の共用および成長市場を含む複数の面で協力する」といったものだ。

 10月には日産が三菱自動車株式の34%を所有する筆頭株主になり、日産のカルロス・ゴーン会長が三菱自動車の会長も兼ねることとなり、三菱側の益子修が社長についた。

■まとめ

 2017年3月期は、不祥事の影響もあり国内生産が12カ月連続で前年を下回った反面、海外生産は最近5カ月連続で前年を上回って下支えした。昨年の秋に日産の傘下に入ってからは、部品購入価格の引き下げや日産流の管理手法の導入、為替相場の円安などの要因により営業黒字30億円への改善につながった。今後はさらに購買、車両のプラットフォームの共用などの協力効果が期待できるとしている。