ウガンダ北部ユンベのビディビディ難民キャンプ(2017年4月13日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ウガンダ・ユンベ(Yumbe)にある難民キャンプで大勢の南スーダン難民が食料の配給を待っている──。そばで客待ちしているバイクタクシー運転手のサディク・アゴトレさんは彼らが客になることはめったにないと不満を漏らす。

 アゴトレさんは「商売はよくないね。この人たちには金がない」と語り、わずか8か月で低木などが生い茂る森から27万人以上が暮らす世界最大の難民キャンプ「ビディビディ(Bidibidi)」へと様変わりした広大な土地を見やった。

 ウガンダはこれまで、難民を温かく歓迎していると称賛されてきた。しかし隣国の南スーダンの内戦により1日2000人以上の難民が同国に流入しているなか、地元コミュニティーや支援団体はその重圧に押しつぶされそうになっている。

 人口50万人のユンベ(Yumbe)では、地元で展開されている人道活動が仕事に還元されずにいるため、住民の多くはいらいらを募らせている。しかも、もともとそこまで豊富ではない資源が、この影響でさらに手に入りにくくなっており、状況はより厳しいものになっている。

 ユンベで小売店を営むナシャール・ドブレ―さんは「これ(難民危機)のせいでここはだいぶ変わった。ストレスの度合いが増えた。仕事のストレスがものすごく増えた。食料価格は上がる一方だ。彼らは木を切るから地元の環境にだって良くない」と語る。

 ビディビディ難民キャンプは昨年8月、南スーダンのサルバ・キール(Salva Kiir)大統領派とリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領派の間で結ばれていた停戦協定が崩壊し、2013年に勃発した内戦状態に戻ったことによって生じた難民の大量流入に対処するために設置された。

 ビディビディはほんの数か月足らずで、主にソマリア難民を受け入れているケニアのダダーブ(Dadaab)難民キャンプを追い越し、世界最大の難民キャンプとなった。

 しかしこの広さ250平方キロメートルのビディビディでさえ、南スーダン難民を部分的にしか収容できてない。これまでに南スーダンからウガンダに流入した難民は計83万人。国連(UN)の予測によると、今年半ばには100万人を超えるとみられている。

 国連世界食糧計画(WFP)のウガンダ副代表を務めるシェリル・ハリソン(Cheryl Harrison)氏は、月に1万5000トンの食料を配送するロジスティクスの困難さを指摘している。

■「今はとても不安定な状態」

 WFPは南スーダンの和平協定崩壊前、ウガンダに滞在する難民への食料支援として月600万ドル(約6億7700万円)を投じていたが、今では1600万ドル(約18億円)以上にまで膨れ上がっている。WFPの今後半年間の予算は5000万ドル(約56億4000万円)足りない状況だ。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は先月、この状況について「限界にある」と述べた。

 現地資源の利用をめぐっては、難民と地元住民との間で対立も起きている。最近では、難民の流入はなんの利益も生まないと主張する住民らが、掘削孔へのアクセスを数時間封鎖するという出来事も起きた。

 地元当局のジェイコブ・バテミエット氏は「建材、木材、燃料などの天然資源の問題は最悪の状況だ。流入した27万2000人の影響は大きい。ここでの失業率はとても高い」とキャンプの状況を説明した。

 あるNGOのスタッフによると2月には、地元当局の職員9人が支援物資を横領して解雇されたことに不満を持つ100人が、ビディビディ難民キャンプ襲撃を予告するプラカードを掲げてデモを行ったという。

 ウガンダは長らく、世界で最も進歩的な難民政策を取っている国として称賛されてきた。政府は難民に勤労と国内移動の自由を認めてきたし、北部のコミュニティーでは定住用の土地も提供してきた。

 難民らは小さな土地を譲り受けて小屋を建て、農作業用の土地開墾に従事することになっている。しかし、ビディビディではまだ行われていない。

 ビディビディ難民キャンプの責任者、バリャムウェシガ(Baryamwesiga)氏は、自分たちの食べるものを生産できない人々が増えていることの危険性を強調し、「(食べものを生産できなくなれば)難民たちは仕方なく盗む。盗みは暴力を呼ぶ。そうなれば難民と受け入れ側のコミュニティーが享受している共存は崩壊してしまうだろう」「今はとても不安定な状態にある」と語った。
【翻訳編集】AFPBB News