母親と息子6人、一緒に伸ばした髪を寄付(出典:https://www.facebook.com/phoebe.kannisto)

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人が善意で行う慈善活動はお金に限ったことではない。このほど米ニューヨーク州に住む母子が伸ばし続けた髪5メートル以上を、病気で髪を失った子供たちへカツラを提供する慈善団体に寄付したことが米『Inside Edition』など複数メディアで伝えられた。

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ニューヨーク州バッファロー郊外に住むフィービー・カンニストさんには10歳を筆頭に6人の息子と娘がひとりいる。このたび母子ともども伸ばし続けた髪を切り、慈善団体「Children with Hair Loss」に寄付したことを4月24日、自身のFacebookに投稿した。

自身も10代の頃から髪を伸ばして寄付してきたフィービーさんは、3年前に友人の息子ががんで亡くなったことをきっかけに子供たちと一緒にまた髪を伸ばしていたそうだ。

8歳の双子であるわが子と仲良くしていた友人の息子も、双子の1人であったという。その子が亡くなって1年が経った2015年、フィービーさんは10歳の長男や8歳の双子たちと一緒に髪を寄付した。3人の息子にとってその時が初めての寄付だったそうだが、その後も病気で髪を失った子供たちのためにと息子6人で一緒に髪を伸ばし続けてきたのだ。

「髪の伸びる速さがそれぞれ違うので、時間がかかりました。長男が1年で伸びるところ8歳の双子は2年かかり、その下の5歳の三つ子たちは5年ほどかかりました。今回、末っ子の娘(2歳)は長さが足りず、お兄ちゃんたちが髪を切る姿を見ていただけですが、次は参加したいと言ってくれています。」

6人の息子と一緒に伸ばした髪は、それぞれの毛束を繋げると17フィート(約5.2メートル)の長さになった。ノース・トナワンダにあるヘアサロンでカットしてもらった際、スタッフたちは「あなたたちが寄付のために伸ばしていたのなら、私たちも労働時間を寄付させてもらいますよ」と無料で髪を切ってくれたそうだ。

しかし髪を伸ばし続けることで、息子たちは少なからずからかいの対象になったとフィービーさんは明かす。

「息子の1人は酷いいじめにも会いました。ここ数か月、私も息子も涙しながら乗り越えてきました。」

息子たちは寄付のために髪を伸ばしていることをクラスメイトに説明したが、理解しない子もいたようで、さらに大人からもからかわれるという辛い経験をした。

だが息子たち6人は意思が強く、そうしたからかいを無視するまでに強くなったそうだ。フィービーさんは「息子たちが他の子供たちを思って助けようとしてくれるのはとても嬉しいし、頑張って髪を伸ばしてくれたことを何より誇りに思っています」と話している。

長い髪を切った子供たちは早くも次の寄付を考えているようで、どのぐらい伸ばそうかなどと口にしているという。誰かのために何かをすることはほんの些細なことからでも始めることができ、また強い意思でやり遂げることができる。そのことをフィービーさんの子供たちから学んだといえよう。

出典:https://www.facebook.com/phoebe.kannisto
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)