猫が嫌がるトイレとは?意外と知らない猫のホンネ

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 猫を溺愛するあなた、できれば猫のほうからも愛されたいですよね。『もっと!ネコにウケる』の著者、獣医師の服部幸先生は東京猫医療センター院長とJSFM(ねこ医学会)理事も兼任するという、猫のエキスパート。せっかく猫と暮らすなら、猫にウケる=猫にとって心地よい接し方をしよう、ということで猫にとって心地いいこと・悪いことを解説したのが本書です。

 私も猫を飼って2年足らずの初心者。甘噛みされたり猫パンチされただけで「嫌われた!」と落胆し、たまたまお腹を見せられただけで「好かれた!」と歓喜するという、100%片思いの日々を送っています。ちなみに甘噛みも猫パンチもじゃれているだけで、特に深い意味はなさそうですが…。

◆体長ギリギリやドーム型トイレは、猫好みじゃない

 日本の住宅事情では猫のトイレも狭くなりがち。でも猫にとっての理想のトイレは「猫の体長(頭の先からお尻までの長さ)の1.5倍以上」と服部先生は指摘します。

 さらにドーム型のトイレも猫にとってはNGだそう。確かに、ニオイが漏れなくて砂が飛び散らないのは人間にとっての利点ですが、猫にとっては、ニオイがこもるし自然界にはない環境なので使いにくいとか。

 また、猫自身に好みの砂を選ばせる実験をしたところ、「鉱物系の砂」、つまり屋外で用を足すときの砂に近いものを一番好んだそうです。猫はもともと野生の動物。野性性をないがしろにするのは人間のエゴというもの、できるかぎり猫の生態を尊重するのが猫の下僕ならぬ、良い飼い主ではないでしょうか。

◆首輪の鈴の音はストレス

 可愛い猫には可愛い首輪を着けたくなるもの。国民的な猫であるサザエさんちのタマだって鈴を付けています。

 でも大人の猫がいきなり鈴を付けられた場合ストレスになる可能性大で「狩猟動物の猫にとって“自分の存在を知らせる音”を立てながら行動するのは自然に反しています」と服部先生。また鈴を飲み込んでしまう事故も実際にあったそうです。

◆しつけよりも幸せな過ごし方を考える

 猫を飼っていれば、猫の悪戯や粗相に必ず出くわします。我が家の猫は、室内用の物干し竿を吊るしている紐を噛みちぎろうとしました。物干し竿は私のベッドの真上にあるので落下したら私は大怪我したかも、でも猫に罪はないので叱りません(本当に大怪我していたら叱ったかも)。

 そもそも猫の習性からいって、しつけが通用するわけがないのですよ。むしろ「しつけをするのは猫のほうだ」と服部先生。

 犬飼いはSキャラ、猫飼いはMキャラが向いているとも言いますが、私も隠れていたM魂が猫によって刺激された感があります。

 室内飼いが増え、飼い猫の平均寿命は年々伸びています。20年という長寿をまっとうする猫もいますが、平均的に十数年でしょう。その間、当然飼い主も年を取り、収入面にも変化が出てきます。私の知人の猫は晩年糖尿病になり、インスリン注射に病院に日参、医療費も嵩みました。

 心底猫にウケるためには、生涯かけて猫に寄り添う覚悟が必要です。猫にかしずき、身も心も財産も差し出す、「いっそ変態でもいいよ!」くらいの根性で臨むのがいいのかな、というのは私個人の意見で、本書はもっと冷静かつ一般的です。獣医師さんが書いているので、信憑性と安心感はあります。

<TEXT/森美樹>