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仏エリートの自信喪失、ENAのセクト主義

【PJ 2005年07月26日】− 5月に行われた国民投票で、フランス国民はEU憲法を否決した。シラク大統領は国民の声に疎かったと認めつつも、これがフランス国民の真の声ではないと言い張った。7月23日付の英誌「エコノミスト」はフランスのエリートの自信喪失は、ENA(国立行政学院)出身者の台頭と無関係ではないと報道している。

 フランスには日本で言うと、専門職大学院に相当するグランゼコールが約180校あり、その一つのENAは首相府設立のエリート養成校である。フランスではENAの卒業生を意味するエナルケ(enarque)を知らぬものはない。ドミニク・ドビルパンやジャック・シラクなど歴代首相10人中7人がエナルケである。1980年の卒業生を見てみよう。彼らは50才前半で、100名を僅かに超える連中がフランスを動かしている。

 中道右派のドビルパン首相、彼の内閣にはピエール・モンギン、ルノー・ドバブレスがおり、中道左派には社会党のリーダー、フランソワ・ホーランドと彼のパートナー、セゴレーヌ・ロイヤルがいる。財界にはAXAの社長、ヘンリー・ドカストリ、前財務大臣でバークレー・フランス社長、ジャンピエリー・ジュエなど、そうそうたるメンバーが、ENA卒業名簿にその名を連ねている。

 多くに国ではエリートを養成する学校が存在する。エナルケは才気煥発で真面目だが、何故か嫌われる。その理由を「ENA研究」の著者、ジスレーヌ・オッテンハイマーは、ENAが余りにも選び抜かれているからだという。すなわち、ENAは毎年100人足らずしか取らず、この結果、相互に自己防衛するセクトのような集団を作り出す。ENAは「クローンを製造する巨大なマシーン」だと彼女は言う。

 英国のオックスブリッジや米国のアビーリーグなど欧米の有力大学は毎年数千人の卒業生を排出し、ENAほどのセクトを作り出すことはない。ENAはフランスの幹部を独占的に養成する機関ではない。シラク後の大統領レースのトップを走るニコラス・サーコジイは幸いエナルケではない。しかし、良かれ悪しかれ、1980年卒業の一クラスのかくも大きな勢力範囲を見ると、ENAの影響力の大きさを感じずにはいられない。【了】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 【 】
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