トランプ氏は韓米FTAの見直しか撤廃を求める考えを示している(イメージ)=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】今年1〜3月期の米国の貿易赤字は前年同期比で増加したが、韓国の対米貿易黒字は同期間に約25%減少し、対米貿易黒字国の上位10カ国のうち、最も減少幅が大きかったことが7日までに分かった。

 トランプ米政権が対米貿易で大幅な黒字を出している国を貿易戦争のターゲットにすると公言したことを受け、対米輸出を減らし、輸入を増やした結果とみられる。
 米商務省によると、米国の1〜3月期の貿易赤字は1772億ドル(約20兆円)となり、前年同期比で7.3%(120億ドル)拡大した。輸出は3728億9000万ドルで、同7.3%増えたが、輸入も5501億ドルとなり、同7.3%増加した。
 トランプ政権発足直後の2月の貿易赤字は499億5000万ドルで、前年同月比8.1%減少し、トランプ氏のこれまでの「脅し」が効果を出したようにみられた。だが、3月の赤字は592億2000万ドルで同11.1%増となり、米国の赤字の改善が容易ではない実態が浮き彫りになった。
 トランプ氏は就任100日を迎えた先月29日、韓米自由貿易協定(FTA)を含めこれまで米国が締結した全ての貿易協定の問題点などを検討するよう命じる大統領令に署名した。ロイター通信とのインタビューでは、韓米FTAの見直しか撤廃を求める考えを明らかにした。
 トランプ氏は3月末には国・商品別に貿易赤字を招く構造を調査し、反ダンピング(不当廉売)関税などの強化を検討する大統領令にも署名している。
 1〜3月期は米国の主要貿易相手国のうち、韓国やドイツ、インド、イタリア、ベトナムなどは対米貿易黒字が減少したが、中国や日本、メキシコ、カナダなどは増加した。
 1〜3月期の韓国の対米貿易黒字は前年同期比で約24.6%(19億9700万ドル)減った。
 ドイツの対米貿易黒字は5.7%減、インドは11.8%減、イタリアは7.0%減、ベトナムは0.8%減となった。
 これに対し、中国の対米貿易黒字は1.2%増、日本は2.7%増などとなった。
 1〜3月期の対米貿易黒字が最も多かったのは中国(788億5000万ドル)で、日本(173億8000万ドル)、メキシコ(167億4000万ドル)、ドイツ(145億7000万ドル)、アイルランド(107億3000万ドル)などが続いた。韓国は61億4000万ドルとなり、6位から8位に下がった。
 ただ、保護主義を強化する米国の貿易政策について、韓国の柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相兼企画財政部長官は4月末に「非常に慎重だが、楽観的に見ている」との認識を示している。
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