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第5位 ミニ・クーパーS


イングランド北東部のダーラム市は1965年、それまでポリスカーに使っていたオースチン・ウェストミンスターを、モーリス・ミニ・クーパーSに入れ替えた。その3年後にはロンドン警視庁が、たとえ信頼性で劣っても、燃費の悪いウーズレー6より2倍のエリアをカバーできるという考えから、交通取締車としてこれをテストしている。

しかしミニ・クーパーを最も熱心に使ったのはリバプール警察だ。66年に導入を開始し、エスコートにバトンタッチする71年までに54台のクーパーを運用。そのエンジンはスタンダードだったが、かなりチューンナップされているという噂が広まったおかげで、速さを疑われることはなかった。

第4位 ジャガーS-タイプ


1967年から68年にかけて、ロンドン警視庁は83台のジャガーS-タイプを擁していた(うち3台が現存するという)。退役した警察官たちによれば、これこそ究極のポリスカーとのことだ。交通取締車は白いボディ、地域パトロール車はブラック。どちらもエアホーンのサイレンと伝統的なベルをボンネットの下に備えていた。

都市内ではクラッチを酷使して焼き付かせてしまうため、ポリスカーのS-タイプはオートマチックを採用するなど、ノーマルとの違いは150カ所にのぼる。皮肉なことに、ハードボード製ダッシュボードやプラスチッキーなインテリアは少量生産ゆえにコストがかかり、ポリス仕様の納入価格はノーマルより高価だった。

第3位 シトロエン15-シス


戦後まもない頃、ピエール・ルトレルの悪事がフランスの新聞を賑わせた。ニックネームは「気違いピート」。宝石泥棒を得意とする盗賊団、「トラクシオン・アヴァンのギャング」のリーダーである。

その名称が示すように、ルトレルはトラクシオン・アヴァンの速さやロード・ホールディングなど、警察の追跡を振り切る性能全般を高く評価していた。当時、パリ警察はシトロエンを使っていなかったが、犯罪の増加と新聞の批判に直面して翻意し、シトロエン導入に至ったという。

第2位 ヒンドスタン・アンバサダー


インドの自動車市場が自由化されて20年経つが、政府や警察当局は今もアンバザダーにこだわっている。元を正せば1954年のモーリス・オックスフォード・シリーズ2であり、英国自動車産業の栄華を現代に伝えるクルマだ。

インドの田舎道ではヒンドスタンのシンプルさが魅力になることを証明しているし、「ドライバーが太り過ぎでなければ」という条件付きながら、フロントのベンチ・シートに4人が座れるというメーカーの主張も受け入れられている。

第1位 ウーズレー6/80


戦後のロンドンを象徴したのがウーズレー6/80のポリスカーだ。ロンドン警視庁がウーズレー6/80を導入したのは1950年のこと。2タイプあった。ひとつはルーフ上のアンテナやドライバー側のミラー、ウィンクワース製の緊急ベルなどを備えた地域パトロール車、もうひとつはそれらに加えてルーフ最前部に2つのスピーカーをマウントし、ボディ前後に「POLICE」の照明付きサインを付けた交通取締車である。

これらの装備で電気系の負担が増えるのでポリス仕様の6/80はパワー・アップした発電機を装備していたが、その一方で警視庁の整備担当者は慢性的なバルブ・トラブルと格闘せねばならなかった。それでも、グリルのサインを点灯して80mphオーバーの速度で疾走する大柄なウーズレーはいつも、壮観なまでの権威を振りまいているように見えた。それ以上のどんな迫力が必要だろうか?