中国商用飛機(本社・上海市、COMAC)は3日、ジェット旅客機C919の初飛行を成功させた。関連記事に寄せられたコメントを見ると「偉大なる祖国」などの文言を使った「愛国論調」が前面に出たものが目立つ。

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中国商用飛機(本社・上海市、COMAC)は3日、ジェット旅客機C919の初飛行を成功させた。中国における関心度は高く各メディアが盛んに報じた。寄せられたコメントを見ると「偉大なる祖国」などの文言を使った「愛国論調」が前面に出たものが目立つ。

中国は航空機産業の育成を国家戦略の一つに位置付けている。C919の開発プロジェクトが始まったのは2007年で、15年11月のロールアウト(完成機の披露)時には習近平国家主席も祝賀し、関係者に対して「早い時期に自らの大型飛行機を青い空にはばたかせ、改めて貢献してほしい」との期待を述べた。

5日の初飛行では、大手メディアの新浪網や網易、人民日報、国際在線(中国国際ラジオ)がインターネットで実況配信を行うなど盛り上がりを見せた。関連ニュースには多くのコメントが寄せられたが、「愛国論調」が前面に出たものが目立つ。

新浪網の実況配信に寄せられたコメントで「いいね」を最も多く集めているのは「10カ月孕(はら)んで1日にして分娩(ぶんべん)。時期が至れば物事は成就する。自然なことだ。新中国は30余年の改革改革の累積により、今は収穫の時に至った。偉大なる諸国に祝福!」だ。シンプルに「オレの祖国ってすげえ!!!!」とした書き込みも多くの「いいね」を集めている。

「愛国論調」の一方ではC919に冷淡な書き込みもある。環球時報は「指導者がまずお乗りになってください。でなきゃ、屁(へ)のような庶民は乗りません」「国外の部品を持ってきて造った飛行機。わが国には関係ない」といった書き込みがあるとして反発し、C919は国外で高く評価されていると論じる記事を発表した。

環球時報はニューヨーク・タイムズが示した高い評価を引用して、「大型民間航空機を造るのは部品を集めればよいといった簡単なことでは絶対にない。厳格な設計能力と精密な工業製造レベルが必要だ。だからこそニューヨーク・タイムズはC919の初飛行の背景には中国工業の実力があると評価した」などと論じた。

C919の部品国産率は50%と見られている。ボーイングやエアバスも機体開発に際しては国際的な分業化を進めており、C919が外国の部品を多く使っていることはさほど不自然ではないが、中国の場合には世界的な流れとは逆に、部品国産率を高めていく方針とされる。エンジンも、現在は米仏合弁会社のCFMインターナショナルが開発したLEAP−1Cを搭載する。しかし将来はエンジンも国産化する考えで、C919用のエンジンCJ−1000A(長江1000)を開発中だ。

中国ではC919の軍事利用についての議論も高まっている。特に早期警戒管制機への転用の可能性を指摘する声が大きい。新浪網はC919の軍用機転用には部品の国産化率が低いとの障害があると指摘した上で、機体としては米国のE737のプラットフォームになったB737より優れていると主張した。(翻訳・編集/入越)