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●想像以上に効果がある
LGエレクトロニクスの「LG styler」という製品をご存知だろうか。クローゼット型の家庭用ホームクリーニング機で、服をかけておくだけでシワやニオイ、アレル物質が除去できるため、全世界で注目されている新しいジャンルの白物家電だ。(※蔦屋家電によると、第三機関の試験の結果、花粉などのアレル物質は99.5%まで除去、ダニは99.99%まで対策、さらに大腸菌などの雑菌は99.9%まで除菌できたという)

LG stylerはロッカーのようなサイズで、そこに服をかけて使用する。内部のハンガーが1分間に180回振動し、スチームで物理的にアレル物質を落としながら、シワも伸ばす。スカートの座りジワなども、かけておくだけで目立たなくなる。

扉部分にはパンツプレス機能を搭載しており、折り目をつけることが可能だ。除湿機能も備えており、最後はカラッとした状態になって気持ちよく衣類を着られる。消臭能力も高く、タバコくさくなってしまったセーターもニオイが消える。

筆者も1週間ほど借りて試したが、想像以上に効果があり、欲しくなった製品だ。借りている間は毎日2〜3回は使っていたものだ。

LG stylerの販売台数は伸び続けている。現在は韓国、北米、カナダ、ロシア、ドイツ、オランダ、台湾、シンガポール、中国、日本の合計10の地域で展開。日本では2017年1月に発売されたばかりで知名度は低いが、ワールドワイドでは月間1万台以上売れているヒット製品となっている。

新しいジャンルの白物家電「LG styler」はどのようにして生まれ、なぜこれだけヒットしたのか。今回、LGエレクトロニクス本社で話をうかがった。

●社内のアイデアから生まれたLG styler
○今までにないジャンルの新しい白物家電は、社内のアイデア

LG stylerが生まれたきっかけは、役員の家族によるアイデアだった。シワがついていてしまった洋服をきちんとした状態で着ていきたいと家族に話したところ、お風呂場にお湯を張り、湯気を当てることでシワを伸ばすことを提案された。

それをヒントに、LG stylerは社内で企画された製品だ。同社では、常に社内からアイデアを募集しており、その中から生まれた製品が数多く製品化につながっている。

LGエレクトロニクス H&A事業本部 アプライアンスB2B部門 部長のイム・サンム氏は、「LG stylerは2011年に韓国で販売を開始しました。しかし、どのような家電なのか、世の中に知ってもらう第一段階は、あまりうまくいきませんでした。トライ&エラーを繰り返した末、今のヒットにつながったのです」と語る。LG stylerは既に存在しているジャンルの製品ではなく、今までになかったタイプの白物家電だったので、苦労の連続だったという。

初代のLG stylerは、サイズが大きく、現モデルより高価だった。当時のプロモーションも、高所得層があこがれるような訴求にしていたが、この方向性は失敗だった。一般層に「接しにくい製品」という認識が広がったのだ。

「そういったイメージをいったん壊すようにしました。親のスーツはもちろん、子どもの制服をかけておけば、ニオイやアレル物質が取れて清潔な状態を保てる。家族全員が使える家電という位置付けに方向転換しました」(イム・サンム氏)

よりコンパクトになり、価格が下がって手に入れやすくなったということもあるが、急激に売れ始めたのは、ここ数年で環境が変化し、生活スタイルが変化したためだ。

「共働き夫婦が増加し、暮らしのスタイルが変わりました。衣類をドライクリーニングに出す手間、天日干しやアイロンがけをする手間を惜しむ方が増えたのです。また、都市環境ではPM2.5、黄砂、アレル物質を気にする方が増えました。簡単に衣服をケアできるLG styler、そしてアレル物質を除去できるソリューションとして紹介したことで、広く注目されたのです」と、LGエレクトロニクス アプライアンスB2B営業チーム 次長のキム・ホンシク氏は語る。

●日本市場では?
○日本市場における白物家電の展開はこれからが本番

韓国では、発売して5年という月日をかけて、大ヒットにつながったLG styler。日本では発売されたばかりだが、はたして受け入れられるのだろうか。

「日本は韓国と環境が似ています。スーツを着る方が多く、子どもも制服を着ます。また、韓国ではすべての飲食店でタバコを吸うことが禁止されていますが、日本ではレストランや食堂で喫煙できるスペースもあり、タバコのニオイが気になるという方も多いですね。

衛生や清潔に対して関心が高い日本では、韓国よりも早く受け入れられるのではないかと予想しています。販売方法については、さまざまな企業と提携したり、企業の福利厚生のサービスとしてLG stylerの導入を提案したり、できるだけ多様な形で展開していきたいと考えています」(イム・サンム氏)

ただし、日本においては販売台数だけにこだわっているわけではないという。日本は世界的に見てもLGブランドの白物家電に対する認知度が極端に低い。そのため、LG stylerは、LGブランドを広く知ってもらうための戦略製品としての役割を担っている。

「日本市場における白物家電は、日本国内ブランドがシェアを占めていることは把握していますが、LG stylerは新しいジャンルの製品です。今までにないジャンルの市場で、知名度を上げたいと考えています。今後、洗濯機を日本市場に投入する予定があります。そのための布石としたい」(イム・サンム氏)。

LGエレクトロニクスのショールームも見学したが、日本では見ないような斬新でユニークな製品が多く、勢いを感じた。こういった白物家電が日本市場で受け入れられるのか、これからの展開に注目したい。

ショールームでは、日本では販売されていない白物家電を見学することができた。日本の家電よりサイズがどれも大きめだが、ユニークで使い勝手のよさそうなものばかりだ。

(石井和美)