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偉大なパトカーとは、どんなものなのだろうか? 法の番人らしく威厳に満ちた雰囲気? 自分だけは合法的にトップ・スピードでスポーツカーを運転するという夢を見させてくれること? それとも単純に、劣悪な道路が多い田舎でも酷使に耐える信頼性や耐久性? 

英国では、かつてはロンドンの北環状線でダイムラー・ダートがスピード狂の若者を追い回していただろうし、M1高速の待避所でピクニックを楽しむ人々(英国に高速道路網が出来た当初は珍しくなかった)をフォード・ゼファーのエステートが監視していたのだろう。では、その他に世界中にはどんなパトカーがあったのだろうか? 任務を果たし、われわれの命を救う働きをした英雄たちを、可能な限り集めてみた。

第10位 アルファ・ロメオ・ジュリア・スーパー


ジュリア・スーパーが60〜70年代のヨーロッパで、最も偉大なパトカーのひとつだったのは間違いない。63年にアルファ・ロメオはジュリアTIのレース用ホモロゲーションモデルであるTI スーパーを501台生産し、このうち400台を警察に納入。65年にその技術を取り入れた量産車のジュリア・スーパーを発売した。

1570ccエンジン、4輪ディスク・ブレーキ、フロア・シフト、そしてCD値0.34の空力性能を持つこのクルマは、アウトストラーダのパトカーとして最適だった。ジュリア・スーパーの名声を高めたのは、数々の犯罪映画だ。たとえ現実には金塊を積んで逃走するミニ・クーパーを捕まえられなくても、銃をぶっ放すのが大好きな刑事がジュリア・スーパーで活躍するシーンはもっともらしく見えたのである。

第9位 レンジローバー


40年前の英国で、オフローダーではない4WDと言えばジェンセンFFやファーガソンが改造したフォード・ゼファー6ぐらいしかなかった。そんな時代にレンジローバーが登場したのはまさに好機。

発売まもない70年9月、60Ahに強化したオルタネーター、無線機など追加装備に対応した2系統充電システム、ダッシュボード中央の取り締まり用スピードメーターなどを備えたポリス仕様が発表された。イングラド北西部のチェシャー州警察は先陣を切って71年4月にレンジローバーを導入し、特に高速道路での交通取り締まりに新時代をもたらした。

第8位 フェラーリ250GTE


1962年11月22日、ローマの交通警察に究極のパトカーとなるべきクルマが納入された。2台の黒いフェラーリ250GTEだ。しかし早速パトロールに出たその日、不運なことに、アウトストラーダで違反車両を追跡していた1台の250GTEがインターチェンジでクラッシュして全損。それを受けてローマ警察は、残り40台のGTEの発注をキャンセルした。

第7位 ポルシェ912


356はヨーロッパでお馴染みのパトカーだった。最後の356がオランダの警察に納入された後、その後継車が同じ地位を受け継いだのは当然のことだ。911のボディに356のエンジンを積む912は、911より150kgも軽く、重量配分が良いのでハンドリングも優れ、4気筒とはいえ最高速度は185km/h。しかも911のベース・モデルよりずっと安かった。

第6位 BMW 501 「バロック・エンジェル」


アウトバーンを疾走するグリーンの501のパトカーは、戦後復興を目指すドイツを象徴するものだった。1950年代のミュンヘンの警察官にとって、交通機動隊の革の制服に身を包み、「バロック・エンジェル」(501/502の愛称)に乗ることが憧れだったのである。