広告の多さが目を引く(聖教新聞のHPより)

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 全国紙を上回る部数550万部(1989年時点、以降非公表)をもつ創価学会の機関紙・聖教新聞。目を引くのが広告の多さだ。1面下は一般紙と同様に書籍広告が並ぶ。『新・人間革命 第28巻』の広告も掲載されているが、学会とは関係がない新刊も載っている。商品広告では緑茶や梅干しの通販、酵素や毛生え薬、尿もれを防ぐ下着、膝を温めるサポーターなどなど。化粧品のカラー広告、がん保険は全面広告、東証1部上場の総合設備会社もある。

 聖教新聞は広告掲載基準などは明らかにしていないが、大手広告会社の社員はこう言う。

「学会員は結束が固く、口コミで商品名が信者間で浸透する。だから、信仰とは関係なく広告を出したがる会社は結構多いんです」

 それにしても、なぜこれほど全国紙の多くを凌駕する部数を保っているのか。最も大きな理由は、取材に答えた学会員の言葉に凝縮されている。

「聖教新聞は、名誉会長(池田大作氏)からのお手紙です。それを毎日読めることが喜びなんです」

 もともと聖教新聞は、第2代会長・戸田城聖氏の「学会は早い時期に新聞を持たなければいけない」という考えを受けて、池田氏が中心になって立ち上げたものだった。

 池田氏は、2010年5月以降、表舞台に姿を見せなくなり、今回取材に応じた複数の信者は「寂しい」と口を揃える。紙面には30年以上前に撮影された若き日の池田氏の写真がたびたび掲載される。池田氏と信者とをつなぐ貴重な媒体として、聖教新聞の存在意義はより強まっているのかもしれない。

 そんな独自路線をゆく聖教新聞であるが、時流に乗って新たな展開を迎えている。2006年にはウェブサイト「SEIKYO online」が始まり、昨年は有料化した。

 公称で会員は800万世帯を超えるとされる学会は今年7月に、東京・信濃町に延べ床面積1万5000平方メートルの聖教新聞新社屋の建設に着工する。2019年に完成予定のその「創価学会 世界聖教会館」は地上5階、地下2階建てで、礼拝室なども併設されるという。

 地方取材網の縮小や夕刊の廃止、社員の給与引き下げなど、弱体化して暗いニュースが続く全国紙とは真逆の勢いが、そこにはあるのだ。

※週刊ポスト2017年5月5・12日号