収賄罪などに問われた韓国の朴槿恵前大統領の初公判が23日にソウル中央地裁で開かれる。法廷に立たされる歴代大統領は3人目。韓国紙は「韓国政治における報復の連鎖はいつまでたっても終わらないのか」と嘆いている。写真はソウルで行われた朴大統領退陣要求デモ。

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2017年5月5日、収賄罪などに問われた韓国の朴槿恵前大統領の初公判が23日にソウル中央地裁で開かれる。歴代大統領で法廷に立たされるのは全斗煥、盧泰愚両氏に続いて3人目。繰り返さる悲惨な末路に韓国紙は「韓国政治の報復の連鎖はいつまでたっても終わらないのだろうか」と嘆いている。

2日には正式な公判を前に検察、被告側双方の主張を確認する公判準備手続きが行われた。被告本人が出廷する義務はなく、朴前大統領も姿を見せなかった。共犯として起訴された友人の崔順実被告や贈賄罪で在宅起訴された韓国ロッテグループの辛東彬(日本名:重光昭夫)会長の準備手続きも一緒に行われたが、いずれも出廷しなかった。16日にも2回目の公判準備手続きが開かれ、初公判を迎える。

朴前大統領は特定犯罪加重処罰法上の収賄・第三者供賄、職権乱用権利行使妨害、強要、公務上秘密漏えいなど計18件の罪で起訴された。崔被告と共謀し、サムスングループに433億ウォン(約42億円)の拠出を求め298億ウォンを受け取ったほか、韓国ロッテグループに70億ウォン、SKグループに89億ウォンの賄賂を要求した罪などが主な内容だ。

贈賄罪などで2月に起訴されたサムスングループの事実上のトップ、李在鎔サムスン電子副会長の審理は始まっており、前大統領や崔被告の裁判とは別に進められる。

2日の公判準備手続きで、朴前大統領の弁護人は「検察が主張する起訴事実を全て否認する」と無罪を主張。崔被告の弁護人も前大統領と共謀した事実はなく、収賄罪の要件となる賄賂性や不正な口利きもなかったとして、起訴内容を全面否認した。裁判では検察側と激しい攻防が繰り広げられる見通しだ。

こうした中、朝鮮日報は次期大統領選で支持率トップを走る「共に民主党」の文在寅氏について「復讐するために韓国大統領の座を狙うのか」との社説を掲載。疑惑が取りざたされ、検察の事情聴取後に自殺した盧武鉉・元大統領の側近だった文氏が「大統領になれば『積弊清算特別調査委員会』を立ち上げる」などと主張していることを取り上げた。

同紙は「盧元大統領への捜査とその自殺後、韓国社会では『政治的報復はもう終わりにしよう』といった声が高まった」と指摘。同時に「それでも朴槿恵政権では李明博政権に対する報復が再び始まり、今も次に政権の座に就きそうな勢力が再び報復をちらつかせ始めた。そうなると当然その次は彼ら自身が間違いなく報復を受けるだろう」と警告した。その上で「韓国政治におけるこの報復の連鎖はやはりいつまで経っても終わらないのだろうか」と憂色を深めている。(編集/日向)