メタンハイドレートは、「燃える氷」とも呼ばれる。(画像:いらすとや)

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 経済産業省は、4月下旬から、愛知・三重県沖で海底に眠る資源メタンハイドレートの商業生産に向けた実験を行っているが、4日、この実験においてメタンハイドレートを回収し、天然ガスが産出したことを確認したと発表した。

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 メタンハイドレート。再生可能エネルギーではなく化石燃料の一種ではあるが、まだ商業化に成功した例が世界的にも存在しないため、未来のエネルギーの一つとして期待されているマテリアルである。

 低温かつ高圧の条件下で、メタンの分子が水の分子に囲まれて凍結した固形物であり、燃える氷という異名の通り、外見は実際、氷に似ている。エネルギーとしての性質は天然ガスとほぼ同一で、二酸化炭素排出量は石油、石炭などよりも低い。

 メタンハイドレートの利点でもあり欠点でもあるのが、そのほとんどは海底のそのまた地下に眠っている、という点である。何が利点かといえば、そのような資源は歴史上においてほぼ開拓されておらず、手つかずで残っている、ということだ。何が欠点かといえば、今まで採掘が難しかったものは今後も採掘はやはり難しい、ということだ。

 分析によれば、日本近海は世界でも有数のメタンハイドレート埋蔵量を誇るとされている。2013年には日本の研究探査チームがはじめてメタンハイドレートの採掘に成功し、1,000億から1,500億立方メートルという天然ガスに相当する資源を確認したが、設備にトラブルが起こり探査は6日間で打ち切られた。

 今回の実験では海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が海底で採掘と天然ガス抽出を行っており、数週間の実験継続を目標としているが、研究レベルの試掘ならともかく、安定した産出と海底メタンハイドレートの商用化には、なおも高いハードルが横たわっているというのが現実である。