国立台湾図書館のウェブサイトより

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(台北 5日 中央社)国立台湾図書館(新北市)で4月末から始まった特別展で、日本統治時代の日本政府が残した南方資料が公開されている。

70年以上前に日本政府が南進政策を推進したさい、膨大な東南アジアの資料を集めた。計画的な資料収集の背後には、領土拡大の野心があったが、学者たちはそれでも南方に深く分け入り、多くの資料を収集、科学的な研究の基礎を築いた。

当時日本に統治されていた台湾も南方進出の重要拠点で、台湾総督府は1940年に「南方資料館」を成立させた。資料館は戦後には中華民国政府に接収されたが、文献は紆余曲折の後に国立台湾図書館に所蔵されることとなって現在に至る。

同図書館によると、これらの資料は大変に貴重な所蔵品であるため、平素はめったに公開されない。特に1705年に出版されたルンフィウス著「アンボイナ珍品集成」は、オランダ東インド会社による東南アジアの動植物研究の成果をまとめたもので、当時の日本で唯一の一冊だったという。

特別展では、この「アンボイナ珍品集成」が初公開されるほか、多くの南方資料も併せて展示される。開催は12月17日まで。

(陳至中/編集:塚越西穂)