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ジェームス・ラパート(Special correspondent)の場合

・1979年製BMW320
・1964年製ミニ・クーパー
・1984年製ランドローバー・シリーズIII

築40年となったわたしのガレージには2台のクルマが収まっていて、1台は外に置いている。

「愛車という名のジグソーパズル、最後のピース探し」という記事を書いたことがあるが、その際、レストアしたBMW 320に乗れたら……と申しあげた。

結局手に入れたのだが、このBMWはロンドン西部の混み合う交差点にある、パークレーンのショールームに飾ってあったもの。

当時、こんなに小さかったかな? と思ったが、まぎれもなく完璧にオリジナルなE21型の3シリーズだ。このクルマに乗り込むと、わたしが23歳だった頃にもどったような気持ちに浸ることができる。まるでタイムマシンだ。

1980年代初頭、わたしの周りでは出てすぐのE21型320を見かけることは少なかったが、しかし、316は代車としてよく採用されていたので、借りる機会があった。

アンダーパワーだが、広く一般的な消費者には乗りやすいクルマだったというのが代車として採用されていた理由だとおもう。

代車のE21は、メタリック・ゴールドをまとい、アルピナ社製のアロイ・ホイールを履いておめかししていた。オートマと、純正のエアコンを備えていて、エセックスでの暮らしも快適にこなしてくれる。

駐車場に停めて、ふと自分のクルマに目をやると「ナイスだ」とつぶやいてしまうくらい惚れ込んでいた。これがわたしとE21の最初のストーリーだ。

クルマ選び、譲れない3つのポイント

それからから数十年たった今、Webページを見ながら、次のクルマの構想を描いていた。快適な旧車であることが条件であったので、いくつか候補を挙げ、「ベントレーもいいなぁ」なんて物思いにふけっていたが、結局は1970年代に建てたガレージと、オジサンにも似合うようなクルマということで、E21を再び買った。

2台目のE21の一番の魅力であるポイントは、ボディがボロではないということ。クルマである以上、手ばかり掛かるようではダメだし、直すよりも乗り回すほうが好きなので、そういう意味ではこのE21はピッタリなコンディションであった。

旧車を買うにあたって、わたしには独自のチェック・ポイントを設けている。ひとつは「錆が出ていないこと」。次が「ガレージ保管で、なおかつ前のオーナーがしっかり面倒を見ていたクルマ」。そして最後にタイヤやブレーキなどがしっかり交換されていて、その記録があるもの」だ。

この条件に合致しないと買わないが、逆を言えば、その条件が揃っていたら心が揺らいでしまう。この小さくて素晴らしいクルマを買ったのはそういう理由もある。もとはイタリアで乗られていたこともあって、腐食は無い。

E21とともにガレージに収まっているのは、1964年製のミニ・クーパーだ。

「わたしはもう、やりきりました」

わたしがミニ・クーパーを手に入れたのは1979年のこと(当時わずか£200(3万円)だった)。850佞離┘鵐献鵑如愛すべきクルマの1台だ。

クーパーを買った目的は、「パンと牛乳を買いに行く間でも感じられる楽しさとエンターテイメント性」を求めたから。

乗っていると速く感じるのだが、実のところめちゃくちゃ遅くてすごく煩い。ビンの蓋くらいの大きさのブレーキディスクや、ペラペラのドアと屋根も味があっていい。

最後に紹介するのは仕事グルマ、1984年製ランドローバー・シリーズIII。移動のアシとしてはもちろん、引っ越しや家の改築などの際いろいろなものを運んでくれる。

乗り味は戦前のクルマのようで、気難しいギア、ドラム・ブレーキ、ゼイゼイ喘ぐエンジンは原始的だが、その後の自動車の革命的な技術の進歩を予感させる。

アナログでちょっと変わった2ドアのクルマを経験してみたかったというのが購入の大きな理由。近代的な装備は無いのに、それでも楽しい。

わたしの持つ3台のクルマたちはどれも前時代的だが、どこか未来の技術を予感させるクルマたちばかりだ。

もはややりきった感がある。これ以上のクルマは要らないとすらおもう。完璧なクルマ、それはわたしのガレージにすでに揃っている。