五輪の鉄棒演技中にぎっくり腰になったという内村航平選手(2015年6月、J-CASTニュース編集部撮影)

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休日の朝、風呂場でふとしゃがんだ時に腰が「クキッ」と音を立てた。イヤな予感と同時に痛みが広がる。もしかして「ぎっくり腰」ではないか。

記者の場合、幸いにも症状が軽かったらしく、多少の痛みが残りつつも日常生活に支障は出なかった。だが、歩けないほどの痛みに襲われるとの話も聞く。日ごろの運動不足のせいかと思ったが、意外にもプロスポーツ選手に症状が出るケースが少なくない。

生活習慣、仕事のストレス、姿勢の悪さ...

ぎっくり腰は「急性腰椎症」とも呼ばれる。前かがみの姿勢や、重い荷物を持ち上げようとした際に、文字通り前触れなく急に発症する。

複数の整形外科や整骨院、カイロプラクティックがウェブサイトで、症状や原因、対処法を示している。これらを総合すると、歩けないほどの強い痛みが出ているときは安静を保ち、患部を冷やすのが基本だ。2、3日過ぎても全く改善しないなら、速やかに医師の診断を受けよう。「素人判断」でそのままにしておき、症状が悪化したり違う病気だったりしたら大変だ。ぎっくり腰なら、内服薬や湿布を処方されるのが一般的で、コルセットで腰回りを固定する場合もある。

必要以上に安静を続けるのは、かえってよくない。別の病気が原因の痛みや、医師から動かないように指示が出ている場合を除いて、症状がある程度落ち着いたら支障ない範囲で体を動かし始めるよう勧める医療機関のサイトが多い。

原因は人それぞれだ。エックス線で患部を撮影しても、画像から原因を特定できない場合がある。こうしたケースだと生活習慣、仕事のストレス、姿勢の悪さ、筋力の低下などが考えられる。

高齢者に多い症状とは限らないようだ。東京の「ABC整体スタジオ池袋院」のサイトには20〜50代が多いと書かれている。「20代から筋力は少しずつ低下しているのだという自覚が大切」という。中高年は、日ごろの運動不足やストレスの蓄積で、ちょっと無理をしたり同じ姿勢を続けたりすることが引き金になり得る。

一方で、「運動が仕事」のスポーツ選手がぎっくり腰になるのは、なぜだろうか。

ぎっくり腰で金メダル、だがその後は

開幕から1か月ほどが過ぎたプロ野球。開幕前後で調べてみると、主力級の選手がぎっくり腰で一時離脱を余儀なくされていた。例えば――。

「東北楽天の与田投手コーチは24日、前日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の先発を回避した岸について......ぎっくり腰に近い症状だという」(2017年4月25日付河北新報)
「DeNA、離脱中の梶谷がぎっくり腰と告白」(2017年3月20日付サンケイスポーツ)
「(楽天)塩見貴洋投手(28)がぎっくり腰で出遅れ」(2017年3月6日付スポーツ報知)

野球だけではない。体操の内村航平選手は2016年8月10日のリオデジャネイロ五輪の男子個人総合決勝で、鉄棒の演技中に「ぎっくり腰みたい」になったと話した。それでもこの種目で金メダルを手にしたのはさすがだが、4日後に行われた男子種目別床運動決勝では腰の痛みが響いて5位に終わった。

情報サイト「オールアバウト」2015年11月12日付記事で、カイロプラクティック理学士の檜垣暁子氏が、ぎっくり腰の原因のひとつに「スポーツによる影響」を挙げている。筋肉がしっかりしている運動選手でも、「運動後の筋疲労の残り方や筋肉の機能バランスが悪いと、逆に腰に負担がかかってしまうことがある」として、ストレッチをはじめ十分なケアが必要と説明していた。

一方で、記者のようにスポーツ選手とは「真逆」の日常生活を送っている場合は、連休中に気が抜けて日ごろの疲労やストレスが一気に吹き出したり、好天に誘われて急に体を動かしたりして悲劇に見舞われないように注意したい。