湊かなえ原作のドラマ「リバース」第三話。


第三話で明らかになったこと


深瀬(藤原竜也)、浅見(玉森裕太)、村井(三浦貴大)、谷原(市原隼人)の元に、10年前の広沢(小池徹平)の事件についての告発文が届いた。四人は集まるが、どうしても探り合ってしまい核心をつく話が出来ない。その後、村井は深瀬に、他の二人が広沢の車を崖から落としたのでは?と、自分の考えを打ち明けた。そんな中、何者かの四人への復讐が始まった。

一体誰が告発文を送っているのか?10年前の事件の真相は?現時点ではまだ謎しかない。だが、浅見、村井、谷原の内の誰かが何かを隠しているのは間違いない。主人公である深瀬だって、広沢を探しに行って遭難しているのだから、思い出せない真実があってもおかしくない。やはり、今のところは謎だらけだ。

だが、第三話で明らかになったことも少なからずある。

・広沢が発見されたのは10Km先
広沢が発見されたのは、車の事故現場から10Kmも流された川の下流だった。フリージャーナリストの小笠原(武田鉄矢)、そこまでに引っかかりそうな場所もあって不自然な事だという。また、シートベルトをしていたはずなのに、そこまで車外に投げ出されたのもおかしいらしい。

・第一発見者は谷原

谷原と浅見は別々に広沢を探し、見つけたのは谷原。浅見は次の第二発見者。その後に警察がきた。

事件についてはこれぐらいだろうか。こう見ると、何かがあったとしたら谷原が一番怪しい。深瀬が「僕も迎えに行けばよかったかな?」と聞いた時の「そしたらお前も死んでたよ」という返事も、意味深だ。

真実知るの怖い


事件について一番軽薄な発言をくり返している谷原だが、ちょっとホッとする場面もある。一流商社に勤める谷原がなにかしらの理由で左遷され、倉庫作業をしている所を深瀬に見られてしまうシーンだ。社内イジメの様な状況でも転職しない理由について、谷原は深瀬にこう説明している。

「転職考えたりもするけど、それはちげーだろ」

広沢に飲酒運転させてしまった時の言葉「内定もらったのはお前だけだろ?」を思い出しながら言った言葉だ。ずっと広沢に辛く当たっていた谷原だけに、こういうのはホッとする。良かった。ただのイケ好かない奴じゃなかった。ちゃんと芯は通ってる奴だった。

それで言うと、浅見がお酒を飲まないのもそうだ。事件以降は一滴も飲んでいないと本人は言っている。

ああ、良かった。みんな良い人なんだ。きっと事故が起きてしまい、何かを隠蔽しないと仕方ない状況に陥ってしまったんだ。誰も本当の悪人はいない。こっちが想像しているよりもきっと大した事は起きていないんだ。きっとそうだ。

と、安心したくなるがそこは湊かなえ、おそらく想像を超えた嫌な出来事が隠されているのだろう。すごく面白いし、めちゃくちゃ気になるのに、真実知るの怖いからちょっと見るのが憂鬱になる。

回想に出てくるこの後に死ぬ人の役


小池徹平演じる広沢は、10年前に死んでしまった役。現在には出てこないが、回想にはやまほど出てくる。そういう役が「なんでこんなに良い奴が死んじゃうんだよ、かわいそう」と、視聴者に思わせたら、そのドラマはたぶん面白いドラマだと思う。より真相への興味が沸くからだ。

どんな人が死んだらかわいそうと思うかと言ったら、それは良い奴。そして可愛い気のある奴だ。例えば、すごく頼れる先輩より、ちょっと弱そうな雰囲気の後輩を亡くす方が、「なんとか助ける事は出来なかったかな?」という気持ちになる。守ってあげれたかもしれない感が、頼れる奴よりどうしても強くなる。

30過ぎの男性に対して失礼かもしれないが、その点で小池徹平はかわいい。男から見てもやっぱりかわいい。なのでどんなに賢くて立派だったとしても、どこかひ弱そうに見えてしまう。

そこに加えて、あの回想特有の日差しが笑顔に当たる感じと、ドアップで喋りが切り取られる感じ。さらに無茶を言われて少し困った時の顔。その後、ニッコリ笑って了承する、頼れるような頼れないような表情は、こちらを不安な気持ちにさせる。

こんなの「なんでこんなに良い奴が死んじゃうんだよ、かわいそう」って絶対思ってしまう。他の四人が広沢を行かせた事に対する罪が、より重く感じられる。やっぱり小池徹平は、回想に出てくるこの後に死ぬ人の役に最適任だ。

「リバース」は、これから少しずつ事件の真相に迫っていく。メイン四人の隠された過去も明らかになるだろうし、広沢が死ぬシーンの回想も出てくるかもしれない。早く四話は見たいけど、やっぱりちょっと見たくない。

(沢野奈津夫@HEW)