福岡大学医学部形成外科学・大慈弥裕之教授(2016年12月撮影)

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第60回日本形成外科学会のシンポジウム「動き出した美容医療制度改革」が2017年4月13日、大阪で行われ、安全性が高くリスクの低い美容医療にむけて、今後、業界や国などが連携して改革に取り組むことになった。

現在、医療機関のホームページは医療法の規制対象ではなく、医療機関は厚労省の「医療機関ホームページガイドライン」に従って自主規制を行うことになっている。ところが実際には、不適切な表現が野放し状態だ。

患者が美容医療を利用するきっかけは、クリニックのウェブサイトやインターネット上の広告がほとんど。だが、様々な謳い文句があふれており、惑わされる患者も多い。

東海大学名誉教授で形成外科医の谷野隆三郎氏によると、厚生労働省は規制の強化に向け動いており、ネットパトロールによるウェブサイトの監視が実施される方向だとした。

美容医療トラブルを未然に防ぐための制度確立のため学会も動いている。日本美容外科学会(JSAPS)の佐藤兼重理事長は、国会議員の指導などを受けながら、平成28年から厚労省に美容医療の技術や機器などの質を担保する要望書や、患者向けに厚労省が作成した「美容医療を受ける前に確認したい事項」のチラシ内容に「薬や材料、機器などの安全性・有効性」についても含めるよう要望書を提案、修正してきた。

現在、日本では美容医療で使用する材料や機器などの基準は確立しておらず、各医師の判断のもとで使われている。厚生労働省医政局経済課医療機器政策室の金光一瑛(かずあき)室長補佐は「美容医療においても医薬品や医療機器の規制をつくる際は、関連学会の医師らが、患者が安心して安全に治療を受けられるのか、コンセンサスがとられた上で行うことが重要」と述べた。

シンポジウムの司会を務めた福岡大学医学部形成外科学の大慈弥裕之教授は、「学会、立法府、行政が連携することで、美容医療の正しい知識を広め、トラブルを減らせると思っている。そのために、例えば美容医療対策委員会を立ち上げるなどして、制度改革を進めていきたい」と今後の制度改革推進への意気込みを示した。