ドンとネコのギャップが印象的な名作『ゴッドファーザー』
 - Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

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 ここ数年、ネコ映画ブームの勢いはとどまるところを知らず、『猫侍 南の島へ行く』『先生と迷い猫』『4/猫-ねこぶんのよん-』『猫なんかよんでもこない。』『世界から猫が消えたなら』などの作品が続々公開されている。ネコ映画に出演した俳優は『猫侍』シリーズの北村一輝のようにもともとネコ好きか、あるいは映画の中でネコと共演したことにより、その魅力に取りつかれてしまう人が多い。『ネコナデ』で共演した子ネコに魅了されてそのネコを飼い始めたという大杉漣や、『キミとボク』の中村蒼や『ねこあつめの家』(上映中)の伊藤淳史ら元は愛犬家だが映画での共演を通じてネコの魅力に目覚めた芸能人の存在もネコ映画ブームに一役買っていると言える。

 そもそもネコはイヌと違って散歩に行く必要もなく、一日の大半を寝ることに費やしている。盲導犬、警察犬、麻薬探知犬、牧羊犬……と律儀に働いているイヌたちとは対極にある存在だ。さらに超小型犬から大型犬まで犬種によって大きさや性格、そして外見がかなり異なるイヌたちと違い、ネコは多少のサイズの違いはあれども、世界中どこに行っても自由気ままに暮らす生態は変わらない。あくまで人にこびることなく、わが道を行くライフスタイルを貫くネコ特有の魅力を映し出した映画を、「猫びより」「ネコまる」などのネコ雑誌で執筆中のネコ好きライター、平野敦子が紹介する。

■ネコ好きライターが選ぶベスト5

1位:『ティファニーで朝食を』(1961)
オードリー・ヘプバーン主演の本作では茶色のネコが大活躍し、助演男優賞ものの名演を披露。“ネコ”という名前のネコは破天荒なヒロインの部屋で自由気ままな暮らしを楽しむと同時に孤独な彼女の理解者となり、ラストシーンにも堂々登場。ネコの存在が幸せのバロメーターとなることを実証している。

2位:『好きにならずにいられない』(2014)
アイスランド=デンマーク発の本作は白黒の猫が登場。母親と同居中の43歳シングル、人見知りのオタクな大男フーシが恋する相手シェヴンの相棒がこのネコで、結局彼は失恋してしまうのだが、ネコだけが心優しいフーシの魅力に気づいてなつくことからも、ネコが人間の本性を見抜く鋭い観察眼をもっていることがわかる。

3位:『カミーユ、恋はふたたび』(2012)
主人公はアメリカンショートヘアと思しきネコと暮らす40代の女性。ある日タイムスリップし、外見はそのままに10代に戻ってしまう彼女のかたわらにはいつもネコの姿が。気まぐれやわがままだと言われることが多いネコだが、実は大好きな相手のためなら忠実な良きパートナーになれることを証明してくれる。

4位:『犬に名前をつける日』(2015)
イヌのみならずネコをはじめとする全ての生き物の命の尊さを描いた本作。動物愛護センターで殺処分を待つイヌやネコの姿に、人間の身勝手さを思い知らされるが、そのような状況でも懸命に生きようとするネコたちの姿に、彼らがとてつもないパワーを内に秘めていることに改めて気づかされる。

5位:『ゴッドファーザー』(1972)
オープニングシーンには、泣く子も黙るドン・コルレオーネの膝に抱かれ、すっかりリラックスしているネコが登場。その後彼のファミリーが関わることになる血なまぐさい抗争の数々を思えば、ネコは“平和”の象徴と言えるかもしれない。

■今後も目白押しのネコ映画

 ネコ映画のブームは衰えることなく今後も新作がめじろ押し。主演のアナ・ケンドリックの“ネコ耳”姿がキュートな『バッド・バディ!私と彼の暗殺デート』(5月13日公開)、『猫侍』シリーズのスタッフが再集結し、主演の大野拓朗が8キロを超える共演ネコ・金時へのぞっこんぶりを告白した『猫忍』(5月20日公開)などが待機中。その他要所要所でネコが登場するイランの名匠アスガー・ファルハディによる『セールスマン』(6月10日公開)や、天才ダンサーのセルゲイが幼い頃に飼っていたネコの姿がちらりと登場する『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』(7月15日公開)などもある。(文・平野敦子)