久保建英フィーバーは「キャプテン翼」の影響と伊メディア分析 「主人公と印象的な符号がある」

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過熱する報道に「新たなメディアショー」

 FC東京U-18のFW久保建英は、U-20日本代表入りが発表された翌日の3日のルヴァン杯コンサドーレ札幌戦で15歳ながらトップチームデビューを果たした。

 イタリアのサッカー情報サイト「ジャンルカ・ディマルツィオ・コム」も「新たなワンダーキッド」と紹介し、過熱する日本での報道とも併せて紹介。そして、久保フィーバーには人気サッカー漫画「キャプテン翼」の影響もあると分析している。

 記事では、バルセロナの下部組織に所属していた久保らスペイン国籍ではない未成年選手に対して移籍規定に抵触したため、日本でプレーする結果になった経緯を紹介。そして「来月にようやく16歳になる新たなワンダーキッドは、試合終了から約30分前にピッチに入ると、何度か良い突破を見せ、一度はゴールに近づくシュートも放った」と、札幌戦でのプレーにも言及している。

 久保は後半20分から出場し、トップ下でプレー。同39分に久保が敵陣でボールを受けると、瞬時に反転したドリブル突破を見せ、対峙した相手DF進藤亮佑がたまらず倒してFKを獲得。進藤にはイエローカードが提示された。このFKのキッカーを久保自身が務め、強烈な左足のシュートで直接ゴールを狙った。これはわずかにバーを越えたものの、会場には大きなどよめきが沸き起こった。このプレーが、ゴールに近づくシュートと紹介されている。

 その一方で、記事では「新たなメディアショー」ともして、メディアの過熱ぶりを紹介。その要因に、日本人にとって「キャプテン翼」との符合があることが大きいのではないかと分析している。

「200人のジャーナリストが集まった」

「一方で、これは新たなメディアショーになっている。彼のデビュー戦は(FC東京)セカンドチームで3部リーグだったが、7000人の観客に200人のジャーナリストが集まった。そこには、印象的な符合があるのだろう。日本人としてバルセロナでプレーし、新たなメッシと呼ばれる。キャプテン翼の主人公である翼くんのようにだ。これは、日本人にとって印象的なのではないか」

 そして、久保の将来に対して「彼は4年間をバルセロナで過ごし、彼は街とともにある。彼の古いチームメートとクラブのところに戻るという観測は希望的で楽観的なものだ。つまり、常にスペインへ戻るという選択肢は除外されない。今の急成長が続く限り、満足のいく年齢になればそうした選択があり得るだろう」と、いずれバルセロナに戻ると予想されている。

 イタリアやスペインでも大人気を博す「キャプテン翼」と、久保を重ね合わせる見方は欧州でもスタンダードなようだ。今月には“飛び級”で選出されたU-20ワールドカップで南アフリカ、イタリア、ウルグアイとグループリーグを戦うが、欧州中のスカウトが目を光らせる原石たちが集う世界大会で、久保はそのポテンシャルを思う存分発揮できるだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images