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電動アシスト付き自転車と聞くといわゆる”ママチャリ“タイプを想像しがち。でも、それは昔の話。今は”Bike-e“なんておしゃれに呼ばれて、スマホのように毎日一緒にいたくなるスポーティーなモデルが揃っています。そんな最新e-Bikeを気軽に遊び尽くす方法やガジェットライクな楽しみ方までを紹介しましょう。

電動アシスト付き自転車はデザインやライフスタイルで選ぶ時代に!



人間がペダルを漕いだ力を電気モーターがアシスト。そんな駆動構造を採用した電動アシスト付き自転車が、世界で初めて市販されたのは1993年のこと。ヤマハが発売した『PAS』がその先駆けだ。モーターの力だけで走るのではなく、人間がペダルを踏んだ際にアシストするという仕組みとすることで、原付きなどとは異なり法的にも免許やヘルメットがいらないという新しい乗りモノの登場だった。

非力な人でも坂道を楽に登れることから人気を集め、多くの人に移動の自由や楽しみを与えた画期的な乗りモノだったが、逆に言えば高齢者や子育て中の女性などのユーザーが多く、車体のデザインもいわゆる“ママチャリ”タイプのものがほとんどだった。その電動アシスト付き自転車に、今大きな変革が訪れている。

「ここ数年でスポーティなデザインのモデルが一気に増えてきました。ヤマハの『YPJ-R』のように本格的なロードバイクとして設計されたものも登場し、性能的にも一昔前の電動アシスト付き自転車とは一線を画すレベルのものが増えました」と語るのは、自転車専門誌『BicycleNavi』の編集長・河西啓介さんだ。



▲本格的なロードバイクのスペックに電動アシストを組み合わせたヤマハ『YPJ-R』。バッテリー容量は小さいが、軽量な車体で走りは軽快だ。(実勢価格:24万8400円)



そして、この流れを先導しているのは電動アシスト付き自転車発祥の地である日本ではなく海外。特にヨーロッパでその人気が高まっているという。

「海外では『e-Bike』と呼ばれていますが、ユーロバイクという大きな展示会でも圧倒的に出展台数が増えていて、大きな流れとなっていることが感じられます。向こうではよりスポーツバイクに近いモデルが主流ですね」(河西さん)



『Bicycle Navi』編集長 河西啓介さん

「大人の自転車生活入門」をコンセプトに、親しみやすい誌面作りの『Bicycle Navi』編集長。昨年末にe-Bike特集を制作したばかり。

100年進化していない自転車に大変革をもたらす



そうした変革を後押ししているのはリチウムイオンなどのバッテリーの進化や、アシストユニットの小型・軽量化だ。一昔前の電動アシスト付き自転車はバッテリーが切れると、重くて漕いでも進まないようなイメージがあったが、近年のモデルではアシストがなくても軽快に走れるものが増えている。

「自転車は、実は100年以上基本構造が変わっていない乗りモノなんです。モーターを搭載した電動アシストの登場は、そこに大きな変革をもたらしました。バッテリーやモーターなど電気製品の進化は速いですから、e-Bikeの登場で自転車の進化も一気に加速したといえます。そして、既存の自転車の色々な既成概念や形を変えていく可能性があるという意味でも期待しています」(河西さん)

大きなバッテリーを搭載しているため、電源を気にせず車体にライトを内蔵するモデルが増えているのが、その傾向の1つの現れ。ほかにも、多くの電動アシスト付き自転車が大きめのモニターを搭載し、バッテリー残量だけでなく走行距離やスピードなどを表示できるようになっている。

「最近は消費カロリーまで表示できるモデルも出てきていますね。いわばスポーツ自転車乗りが付けているサイクルコンピューターを内蔵しているようなものなので、そういうガジェットが好きな人たちにも身近な存在になってきているのではないでしょうか」(河西さん)



▲有機的なデザインのアルミフレームとライトが特徴のBESVのフラッグシップ車『LX1』。ロードバイクと同じ700cのタイヤを装備し、巡航性能も高い。(実勢価格:42万9840円)



遊びの可能性も大きく広げたe-Bike



e-Bikeがもたらした変革は、何もデザインや実用性だけではない。

「ロードバイクタイプのヤマハの『YPJ-R』に、少し前まで選手として活躍し、今はコーチをしている人に乗ってもらったことがあるのですが、『これがあれば、登りでも選手たちと一緒に走れるかもしれない』という話をされていました。それは何も選手とコーチに限った話ではなく、僕らでも自分より速い人と一緒に走りに行くことができますし、例えば彼氏と彼女が一緒にツーリングに行く場合でも、彼女がe-Bikeに乗っていれば同等に走れます。あと、欧米ではマウンテンバイク(MTB)タイプのモデルも人気が高まっています。今まで登れなかった山道も行けてしまうので、遊びのフィールドが一気に広がりますね」(河西さん)

これまではママチャリにバッテリーとモーターを取って付けたようなデザインのものも多かったが、最近はバッテリーやユニットをフレームに内蔵。一見すると電動アシスト付きに見えないモデルも増えている。モーターやバッテリーの小型化が進めば、さらにデザインの自由度は高まり、色々なタイプのe-Bikeが登場するはずだ。

「これからは、スマートフォンと同じようにデザインやライフスタイルに合わせて選ぶ時代になるでしょうね。海外では既にそうなっています」(河西さん)

ロードバイクの隣を涼しい顔で駆け抜けていくe―Bikeを街中で見掛けるようになる日も近いのかもしれない。



▲カーボン製のフレームと一体化したようなコンパクトなバッテリーを搭載した小径モデルBESV『PS1』。スマホを思わせるモニターがe-Bikeの証だ。(実勢価格:29万8080円)



Other Cool e-Bikes



パナソニック

BP02

実勢価格:14万1480円

クルーザーを思わせるデザインの車体に、小型で容量の大きな12Ahバッテリーを搭載。ゆったりとしたライディングポジションで最大74劼離▲轡好帆行を可能としている。



epoVelo

epoVelo

実勢価格:40万8000円

板金加工を得意とするメーカーが溶接技術を活かして製作したモデル。円形を基調とした細かい加工が施されたフレームが特徴で、見た目だけでなく走行性能も高い。



デイトナ

DE01

実勢価格:15万9840円

バイクのパーツを手掛けるデイトナが作った初のe-Bike。独特の造形のフレームが特徴で、折り畳んで電車やクルマに持ち込むことも可能。自然なフィーリングのアシストも特徴だ。



オギヤマ

ヒルチーター

実勢価格:22万8000円

オリジナルで製作されたフレームに24インチのホイールとコンパクトなアシストユニットを装備。車体の軽さと基本設計の良さで、アシストなしでも軽快に走れるモデルだ。



ブリヂストン

リアルストリーム

実勢価格:15万2800円

クロスバイクタイプの車体にアシストユニットとサスペンションを搭載する。約75劼離▲轡好帆行が可能で、段差もものともしない走破性が持ち味だ。



パナソニック

Jコンセプト

BE-JELJ01

実勢価格:11万8800円

約18kgと軽量・コンパクトな車体が身上。ギアはついていないが約91劼離▲轡好帆行が可能だ。日本の伝統色を用いた3色のカラーバリエーションが用意されているのもポイント。

取材・文/増谷茂樹 撮影/下城英悟

※『デジモノステーション』2017年6月号より抜粋

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