バルセロナ・オープンで2年連続10度目の優勝を果たしたラファエル・ナダル【写真:Getty Images】

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叔父のトニ・ナダルコーチが今季で勇退、13度目にして“最後の全仏”で有終のVへ

 男子テニスのバルセロナ・オープンで2年連続10度目の優勝を遂げた世界ランク5位のラファエル・ナダル(スペイン)。モンテカルロ・マスターズに続き、クレーコートで2連勝を果たしたスペインの至宝は、28日開幕の全仏オープンで前人未到の10度目の優勝を果たせるだろうか。モンテカルロ、バルセロナに続く「ラ・デシマ(スペイン語で「10度目」の意)」について、ナダルのコーチを務める叔父のトニ・ナダル氏が“最後の全仏”への想いを語った。全仏オープンの大会公式サイトが報じている。

 ナダルは昨季、左手首の故障で終盤戦を離脱したが、今季は復活。全豪オープン決勝、マイアミ・オープン決勝では宿命のライバル、ロジャー・フェデラー(スイス)に屈したが、モンテカルロで今季初タイトルを獲得した。

「デシマに特別な感慨? いや。去年、モナコで優勝する方が困難だったと思う。ラファエルは2015年にいいプレーができなかった。今季は序盤からいいスタートを切っていた。実際のところ、我々がモンテカルロに出場する頃には、優勝候補の1人と言えるところまで来ていたんだ」

「デシマ」とはスペイン語で10度目の意味。サッカーの名門、レアル・マドリードが2014年シーズンに10度目の欧州チャンピオンズリーグ優勝を成し遂げた際にも世界中のメディアで登場した表現でもあるが、今大会の10度目の優勝よりも不振のシーズン翌年だった2016年シーズンの優勝の方が印象深いと名伯楽は語っている。

 ナダルはジュニア時代からトニ氏の指導を受け、テニス史にその名を刻む名手となった。しかし、トニ氏は体力的な問題で今季限りでコーチを退任。マジョルカ島のナダルのアカデミーで若手の育成に専念することになる。

 昨季まで左足首や左手首の故障で本調子ではなかったナダルは、コーチにこう漏らすこともあったという。

弱気なナダルに厳格な態度を貫いたトニ氏「受け入れろ」、二人三脚で全仏へ

「この怪我さえなければ……」

 トニ氏は弱気なナダルに厳格な態度を貫いた。

「私はすぐに言い返したよ。受け入れろ、と。自分自身に難しいと言い聞かせてしまえば、とても困難になってしまうんだ」

 故障を乗り越えたナダルは復調した。そして、クレーコートでの戦いを愛するスペイン人にとっては全仏オープンは特別な場所だという。

「我々のようなスペイン人にとっては無意識のうちに、マスターズ1000の大会といえば、常にモンテカルロを連想するんだよ。地中海の向こうを見つめるんだ。我々にとって、モナコでの優勝は信じられないものだ。だから、わかるだろう。スペイン人にとって、ローランギャロスが与えてくれるものは……パリで10度も勝つということは、途方もなく大きなことなんだ。

 驚くべきこと? そうだ。10度目の優勝になるんだからね。ラファエルがローランギャロスで優勝したあかつきには、我々はこう語り合うんだ。素晴らしいシーズンだったね、と」

 ナダルと二人三脚で戦った全仏オープンは13度目で終焉を迎える。優勝すればシーズン半ばで最高の1年と総括できるという赤土の聖地で、トニ氏はナダルとともに戴冠の瞬間を迎えることができるだろうか。