アジア地域の経済開発を支援するアジア開発銀行(ADB)の50回年次総会が、横浜市で開幕。世界的に保護主義的な動きが強まる中で、ADBが域内経済のさらなる発展に向けた結束と方策を打ち出すことができるか注目される。

写真拡大

2017年5月4日、アジア地域の経済開発を支援するアジア開発銀行(ADB)の50回年次総会が、横浜市のパシフィコ横浜で開幕した。ADB総会が日本で開かれるのは2007年の京都市以来、10年ぶり。「米国第一」を掲げるトランプ米大統領の誕生や英国の欧州連合(EU)離脱問題など欧米を中心に保護主義的な動きが強まる中で、「アジアは一つ」を掲げ、域内経済のさらなる発展に向けた結束と方策を打ち出すことができるか注目される。

【その他の写真】

ADB総会には加盟67カ国・地域から政府、国際機関、民間企業幹部ら約4000人が出席。アジアの持続的な経済発展と住民の生活向上へ、インフラ整備や金融の安定、医療制度の拡充・感染症問題などについて、対応策を協議する。

7日までの期間中に、日中韓3カ国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国による財務相・中央銀行総裁会議なども開催。日SEAN財務相・中央銀行総裁会議で麻生太郎財務相は金融危機時に円を融通する仕組みを提案する。

6日には日中の財務当局者による日中財務対話も2年ぶりに開催され、初めて日銀と中国人民銀行の幹部も議論に加わる。麻生太郎財務相と中国の肖捷財政相による日中財務相会談も行われ、関係改善に向けた協議が注目される。

世界最大の成長センター、アジアではインフラ資金だけで年1.7兆ドルの需要が見込まれるが、ADBでも年間融資等承諾額は2016年で約175億ドルにとどまる。多様なニーズに対応するために、ADBの増資や中国主導のインフラ投資銀行(AIIB)との協力は不可欠。中尾武彦ADB総裁や黒田日銀総裁(前ADB総裁)らは「AIIBとの協力」を志向しており、今回総会で討議されることになろう。(八牧浩行)