吉本興業は、「島ぜんぶでおーきな祭 第9回沖縄国際映画祭」の会期中に、シンポジウム「沖縄の未来をつなぐエンタテインメント産業と人材の育成について」を開催し、スクール事業構想を発表。2018年4月、沖縄県那覇市で様々なエンタメ関連の知識を学べる専門学校を開校する。

 冒頭、知念覚那覇市副市長が登壇し、「本映画祭が地域一体で盛り上がっていることが大変嬉しく、沖縄のエンタメ産業が成長する可能性を感じさせて頂いている。開校にあたり、沖縄の若い方々が世界レベルのエンタメに触れ、刺激されることを期待している。また、那覇市では新しく、文化・芸術を発信する拠点施設の建設を予定している」と明かした。

 会場の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハには、業界関係者のほか高校生、高校教員らも参加。モデレーターは中村伊知哉慶應義塾大学大学院教授。パネラーとして、漫画「北斗の拳」などを生み出した堀江信彦コアミックス代表取締役社長、又吉直樹の大ヒット小説「火花」の映像化を担うプロデューサーである古賀俊輔ザフール代表取締役、地元沖縄の下地芳郎琉球大学観光産業科学部教授、長崎行男音響監督が出席し、包括的な視点を取り入れるべく、メディア研究者の志村一隆氏が招かれた。

 来年4月開講の専門学校では、映像、マンガ、俳優、お笑い、声優、ダンスなど幅広い分野をカリキュラムに組み込む。吉本興業は、アジアに近い沖縄を世界に向けたエンタメ発信のハブとする狙いだ。

 シンポジウムで中村氏は「沖縄はエンタメ人材の宝庫」とし、各ゲストを紹介。堀江氏は“漫画と映像の親和性”の高さ、古賀氏は配信サービスにより“世界中にアプローチできやすい”時代であること、下地氏は沖縄を“学べるリゾート”として打ち出す方向性、長崎氏はアメリカで「君の名は。」が日本語版も上映されていることを例に“声優が世界中で活躍”している現状を語った。志村氏は、「この専門学校で育成する若い人材が活躍しているであろう20〜30年後は、どんな時代になっているか。新しい仕組みに対応でき、考えられる人材が必要」とした。司会を務めた沖縄出身芸人のガレッジセールのゴリは、「様々な文化がごちゃ混ぜにチャンプルしている沖縄はポテンシャルが高い」。相方の川田広樹も「良いところも悪いところも地元愛が強いところ。国内外に出られる人材が増えてほしい」と期待を寄せた。

 また、ワークショップ「ラフ&ピースツアー」を8月に開催する。沖縄をはじめ、全国5大都市(東京、大阪、名古屋、福岡、札幌)の中学、高校をまわり、アジアへの展開も予定している。沖縄の専門学校の様に、様々なエンタメ分野について各プロフェッショナルが教育していくという。(文化通信)