(写真提供=SPORTS KOREA)文在寅

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韓国の大統領選挙がいよいよ迫り、候補者たちの激しい舌戦が繰り広げられている。

本国に先立って、韓国に在住していない在日コリアンや在米コリアンなどのいわゆる“在外同胞”たちによる“在外投票“も4月下旬から各地で行われ(日本では4月30日に終了)、かくいう私も先週末に投票を済ませてきた。

私自身も誰に投票するかと考えるために、大統領候補の経歴や公約を調べてたのだが、どうしても気になる点があった。

それは、今回出馬している大統領候補に“前科者”が異様に多いのだ。

“前科者”だらけの大統領選挙?

もちろん、それは殺人や強盗といった重犯罪ではないのだが、罰金や執行猶予などでなんらかの刑罰を受けた経歴があることで“前科者”となっているわけだが、それにしても多すぎるのだ。

あまり注目されていない候補者もいるが、今回の韓国大統領選挙の候補者は過去最多の15人(1人はのちに辞退)。そのうち、何かしらの前科のある候補者は、14人中9人となっている。

実に候補者の60%以上が前科持ちというのだから、驚かざるを得ない。

以前、韓国の市・道知事などを決める選挙の候補者のうち、4割弱が前科者だったという報道があったが、今回の大統領選挙ではそれ以上に前科者が多いことになるのだ。

世論調査で支持率の高い候補者たちの前科を見てみよう。

『中央日報』の世論調査によると4月24日時点の支持率は、文在寅(ムン・ジェイン)39.8%、安哲秀(アン・チョルス)29.4%で、以下、洪準杓(ホン・ジュンピョ)11.7%、沈相奵(シム・サンジョン)5.0%、劉承旼(ユ・スンミン)4.4%となっている。

韓国ではこの5人以外にスポットライトが当たることはほとんどなく、最近は「正しい政党」の劉承旼の娘ユ・ダムさんが「芸能人顔負けの美貌」として注目を集めている。

(参考記事:韓国大統領候補の父親よりも注目!? 「芸能人顔負けの美貌」と絶賛される孝行娘

韓国のネット住民たちの反応は、まるでアメリカ大統領選挙時のイヴァンカ・トランプさんのような取り上げ方だ。

テレビ討論などに呼ばれるのもこの5人だけで、現実的にここから新しい大統領が誕生する可能性が高い。しかし、テレビ討論ではネガティブ攻撃や揚げ足の取り合いばかりに時間を費やし、「まるで小学生レベル」などと失望されているらしい。

ただ、選挙レースのほうは文在寅と安哲秀の「2強」といってもいいおかしくない状況だろう。

支持率の高い候補者の“前科”

最有力視されている文在寅は、1975年に「特殊公務執行妨害とデモに関する法律違反」で懲役8カ月、執行猶予1年の判決を受けている。大学時代に民主化運動を行った人には、多い前科だ。

また、2004年に「国会での証言・鑑定などに関する法律違反」で罰金200万ウォン(約20万円)を宣告された過去もある。

支持率2位の安哲秀には前科がないものの、支持率3位の洪準杓は1998年に「公職選挙と選挙不正防止法違反」で罰金500万ウォン(約50万円)を科せられた。

唯一の女性候補である沈相奵は1993年に「暴力行為など処罰に関する法律違反」で懲役1年、執行猶予2年に。また2003年には「一般交通妨害集会とデモに関する法律違反」で罰金100万ウォンとなっている。

韓国の女性議員といえば、その美貌から「選挙の恋人」とも言われるナ・ギョンウォンが有名で、彼女もとある“前科”で有力視されていたソウル市長選挙に敗れている前例を考えれば、足元をすくわれかねないだろう。

さすがに「性売買特別法」違反など政治生命が消し飛ぶような前科者はいないものの、なかには5つもの前科がある人物も。最も前科が多い「韓国国民党」の李京喜(イ・ギョンヒ)だ。

2004年「公職選挙と選挙不正防止法違反」、2005年「騒音・振動規制法違反」、2010年「業務妨害・権利行使妨害」、2012年「傷害」の容疑、そして2014年「食品衛生法違反・公衆衛生法違反」で、それぞれ罰金を科せられている。

また、5人以外にスポットライトを当たることはほとんどないが、なかには「朴槿恵を釈放しろ!」と公約を掲げる個性的な候補もいて、じっくりと調べると興味深い人物が少なくない。

いずれにしても、いかに前科者が大半とはいえ、韓国大統領選挙に参加する人は、14人の候補のなかから1人を選ぶしかない。『TV朝鮮』の調査では、21.3%の人が「支持者がいない・よくわからない」と答えているだけに、最後まで結果の見えない大統領選挙になりそうだ。

(文=慎 武宏)