チョコレートを一番美味しく食べるのは「脳」だった!?

写真拡大


執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ

チョコレートに含まれる「カカオ」が健康にいいことは広く知られるようになりました。

スーパーやコンビニなどでは、その健康効果を期待した製品も多く売られています。

実は最近、チョコレートと「脳」の関係にも注目が集まっているということをご存知でしょうか。

今回は、チョコレートと脳の関係や上手な食べ方について解説していきます。

まずはチョコレートを知ろう

チョコレートは主原料のカカオ豆を加工して、乳製品や砂糖を加えたお菓子です。

一般的に売られているチョコレート製品は、その材料の割合によって3つの種類にわけられます。

ビターチョコレート

一般的には乳製品が入っていないもの。

砂糖の量も少なく、カカオ分が50%以上のものを言いますが、最近ではカカオ90%以上のものまで出ています。

ダークチョコレート、ブラックチョコレート、スイートチョコレート、プレーンチョコレートと呼ばれることもあります。

ミルクチョコレート

乳製品の入ったもの。全脂粉乳、脱脂粉乳、クリーム粉乳などが使われています。


乳固形分の重量がチョコレート生地の重量14%以上(そのうち乳脂肪分の重量が3%以上)であるものを指します。

砂糖も加わり、まろやかな甘みが広く好まれています。

ホワイトチョコレート

カカオ豆から抽出される油脂であるココアバターに乳製品、砂糖などを加えて作るチョコレートのことを言います。

苦味のあるこげ茶色の部分を取り除いているので、ほろ苦さがなく、ミルクの風味が豊かな味です。

カカオ豆はカカオポリフェノールをはじめとする抗酸化物質や食物繊維など、さまざまな有効成分が含まれていることが知られています。

昔ヨーロッパでは医薬品として扱われていたそうです。

脳の働きに関わる有効成分

次にチョコレートの中に含まれる、脳の働きに関わる成分をご紹介します。

・ブドウ糖


体重の約2%程度の重さしかない脳ですが、消費エネルギー全体の20〜30%を使うほど働きものです。

そんな脳の唯一のエネルギー源がブドウ糖です。

また、脳の神経伝達物質であるアセチルコリンの材料にもなります。

・テオブロミン


カカオ豆に含まれる独特な苦み成分。そのほか、お茶やコーヒーにも含まれる成分です。

中枢神経を覚醒させ、興奮作用や気管支拡張、利尿作用などがある物質で、カフェインと似た構造をしています。

ただ、カフェインほど強い作用はなく、さらに脳においてはリラックス効果に繋がるとして、その機序について研究が進められているところです。

また、血管拡張作用もあります。血行を良くなると酸素や栄養素を運ぶのが円滑になり、脳の活性化につながると言えます。

・BDNF


BDNFは「脳由来神経栄養因子」と呼ばれるたんぱく質の一種です。

新しい神経を作る、神経を発達・成長・増殖させる、神経と神経をつなげる、神経をダメージから保護するなど、脳の働きに欠かすことのできない物質です。

BDNFの増加には、運動や抗酸化物質の摂取が影響します。抗酸化作用を持つカカオポリフェノールは、BDNFを増やすことがわかっています。

・エンドルフィン


カカオに含まれる香り成分は、幸せホルモンとも言われる脳内物質エンドルフィンを放出します。

エンドルフィンは集中力や記憶力を高めたり、幸福感をもたらします。


このほかにも、脳内物質とチョコレートに含まれる成分の関係については、現在もさまざまな研究がすすめられています。

食べるのに、ちょうどいい量はどれくらい?

身体にいい働きが期待できるチョコレートですが、脂質や糖質が多く、食べ過ぎはよくありません。

それでは、ちょうどいい量はどのくらいなのでしょう。

まず結論から言うと、高カカオチョコレート(カカオ分70%)の場合で「30g程度」。板チョコでいうと半分、1枚5gの個包装であれば6枚分くらいです。

健康な成人が間食として摂るカロリーのめやすは200kcal。

高カカオチョコレートのカロリーは100gあたり600〜650kcal程度で、30〜33gがめやすとなります。

原材料の割合によって変わるので、食品表示を見て、200kcal以内を指標にするのもいいでしょう。

チョコレートの上手な選び方

最近では「カカオ○%」と記載しているものも多くあります。

カカオの割合が高いほど有効成分も多く含まれますが、苦みや酸味も増えます。70%程度が適度な苦みで食べやすいでしょう。

チョコレートに関わる多くの研究でも、「カカオ分70%」を使用していることから、効果も期待できます。

カカオ分の表記のない製品では、チョコレートの種類で判断する方法もあります。

たとえば、ホワイトチョコレートにはポリフェノールがほとんど含まれていません。

ですから、健康のためチョコレートを摂るのであれば、カカオ分の多いビターチョコレートがおすすめです。


脳の働きは未知なことが多く、チョコレートとの関連性を明らかにすることも難しいといえるでしょう。

それでも、チョコレートを食べてホッとしたり、集中力が高まったり、幸せな気持ちになるのは気のせいではないようです。

勉強に仕事に、さまざまな場面での脳の活性化にチョコレートをプラスしてみてはいかがでしょうか。


<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供