【ソウル聯合ニュース】韓国政府が4日に「日本軍慰安婦被害者問題に関する報告書」を発刊する。これは旧日本軍の慰安婦問題を巡る韓国政府の政策と措置、国内外の研究成果などをまとめた民間の研究報告書で、2014年から推進してきた政府の「慰安婦白書」刊行計画は事実上撤回されたことになる。
 女性家族部は3日、同報告書を4日に刊行し中央行政機関と地方自治体に配布するほか、同部のホームページにも掲載することを明らかにした。
 報告書は国民大と成均館大の研究所に所属する研究者10人が作成した。本書は▼旧日本軍の慰安婦制度全般に関する歴史的な事実と被害の実態▼韓国・日本政府の対応▼韓国政府と市民社会による問題解決への努力▼国際社会の認識――などを盛り込んだ。慰安婦問題に関する国内外のさまざまな資料も整理されている。
 報告書は、日本政府が朝鮮人被害者の強制動員に関与し、従って法的な責任もあるという韓国側の従来の姿勢を改めて示した。業者による動員だったとしても日本軍の官憲が要請したとして、「公権力にその最終的な責任があるという事実を否定することはできない」と指摘。日本の軍と政府の加害行為は国際条約に違反し、国際法上の戦争犯罪、人道に対する罪にあたると説明した。
 また、慰安婦問題を巡る2015年末の韓日政府の合意について「法的賠償を合意文に明白な形で盛り込めなかった点は、交渉における最も根本的な限界だ」と指摘した。その後の慰安婦被害者を象徴する少女像の問題に関しては、像の扱いは「『本質の合意』が誠実に履行された上で検討される『付随の合意』にすぎない」とし、「日本が10億円拠出で『慰安婦』問題を終わらせ少女像の移転を迫ろうとする態度は、合意の曲解であり、読み間違いだ」と主張した。
 報告書は1992年に外務部(現在の外交部)の所管組織が作成した「日帝下の軍隊慰安婦の実態調査中間報告書」を参考にし、その後の経過を加えた。15年末の韓日合意に批判的な世論も反映するが、政府の公式な立場ではない。女性家族部は報告書の頭で、「報告書の内容は研究陣の意見であり、女性家族部の公式的な立場ではないことを明らかにしておく」と記した。また、「『慰安婦』被害者問題に関する社会の多様な学術的な見解と立場をあわせた内容を導き出すには限界があった」とも述べた。
 政府は14年6月、日本で慰安婦問題に関する河野談話の検証報告が行われ被害者動員の強制性を否定する動きが出始めたことを受け、外交的に圧力をかけるため慰安婦白書を刊行することにした。民間がその草案となる研究に取り組み、15年12月30日に報告書を政府に提出した。しかし、その2日前に韓日は慰安婦問題の解決に向け合意。白書刊行は先送りとなり、結局は報告書として刊行されることになった。
 女性家族部の関係者は「政府の単一の立場を示すというより、多様な社会的議論と学界の研究の流れを整理した。当初計画していた白書を報告書として発刊するとみればよい」とした。白書を英語や日本語、中国語などに翻訳する計画も白紙に戻る。
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