(画像提供=(C)JKT48 Project)

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 日本ではお馴染みになったAKB48グループの『選抜総選挙』。インドネシア・ジャカルタを拠点とするJKT48も、今年で4回目の選抜総選挙が2017年4月22日に開催された。彼女たちの総選挙開票イベントは、今年も地上波テレビ放送局Rajawali TVやライブストリーミングによりインドネシア全土に生中継され、現地では恒例行事となりつつある。

 今年の『JKT48選抜総選挙』は、AKB48から移籍して現地で大活躍していた仲川遥香が2016年末に卒業し、JKT48の総選挙で2連覇を果たしたジェシカ・フェランダも卒業発表で選挙に不出馬。そのため誰が1位になるのか予想もつかなかった。JKT48のファンも日本と同じようにメンバーごとの「選挙対策委員」を組織し、劇場前などで他のファンへ積極的に推しメンのアピールをしていた。中継番組のタイトルも『JKT48 17thシングル選抜総選挙 〜新しい時代を創るのは誰だ?〜』で、まさにグループの中核を担ってきた2人が抜けたJKT48にとって、“新しい時代を切り開くメンバー”を選ぶ選挙として注目された。

・JKT48の女王フェランダの卒業コンサート

 『JKT48選抜総選挙』当日は開票イベントに先立ち、ジェシカ・フェランダの卒業コンサートが同時開催され、メンバーたちの涙と多くのファンの声援に包まれていた。おしゃれでシャイながらも強い意志を持っているフェランダは、これまでのAKB48メンバーに例えると、小嶋陽菜と前田敦子を掛け合わせたような存在感の持ち主で、選抜総選挙2連覇を達成するほどの人気者。卒業コンサートでは、フェランダのJKT48創設時から在籍している一期生としての蓄積や、数多くのJKT48シングルでセンターを経験してきた彼女の思いが、これからのJKT48を創っていくメンバーたちに引き継がれた。

・1位獲得のシャニ「どうか今回は私にセンターをやらせてください」

 そして、予測不能だった総選挙を制して見事1位になったのは、3期生として2014年に加入し、シャニの愛称で親しまれているシャニ・インディラ・ナティオだった。彼女は歴代最多の47,717票を獲得。昨年の総選挙では26位(8,221票)でアンダーガールズに選出されていたシャニは順位も票数も大きく伸ばした。新女王シャニへ昨年史上初の2連覇を達成したフェランダからトロフィーが授与された。

 シャニは「正直に言うと、1位という場に立つのがとても怖いです。皆さんの期待に、応えられるか。もし今後、まだ知られていない欠点などが知られてしまったらどうなってしまうんだろう、そんなことを思ってしまいます。私が1位になったことを嫌だと思っている人もいるかもしれません。でも、どうか今回は私にセンターをやらせてください。どうか一度、見てみてください。お願いします。ファン、メンバー、スタッフで一緒になって JKT48を成長させたいです。もっともっと盛り上げていきたい、と思っています」とセンターを務めることへの思いを語った。2位のアヤナ・シャハブとの差は約3,700票、3位メロディー・ヌランダニ・ラクサニとの差は6,000票と接戦。シャニはファンからの期待と周囲のプレッシャーに押しつぶされることなくセンターを務め、これからのJKT48を盛り上げていく存在になることはできるだろうか。

・10年目にしてついに神7入りした近野莉菜

 今回のJKT48総選挙で、もう一つの目玉となったのが近野莉菜だ。2014年6月にAKB48からJKT48に移籍した近野は、34,976票を獲得して昨年の9位からさらにジャンプアップして6位に。2年目の選抜ランクインとなった近野は「ここまでの道のりは簡単ではありませんでした。諦めそうになったこと、卒業を考えたこともあります。でも、諦めずにここまで続けてこれたのはファンの皆さんの応援があったからです。チャンスの順番は誰にでも回ってきます。努力は裏切りません。私も後輩に負けずにまだまだ頑張ります!」と多くの観客の前で喜びと感謝を示した。選挙直後には自身のTwitterで「10年目にして、神7入り出来たよ。。応援してくれた方1人1人にありがとうを伝えたいです」とファンへ思いを伝えていた。

 近野の神7(神セブン)までの道のりは平坦でなかった。近野は日本でAKB48に在籍していた時は、選抜総選挙でランクインすらしていなかった。だがインドネシアという新天地に来て以降は、持ち前の明るさとパフォーマンスが現地のファンに好評で、選挙でランクインするメンバーの常連に。

 近野はジャカルタに来てまだ3年だが、AKB48グループで活動を始めてからは10年が経つ。インドネシアのファンは、その間の近野の努力を知っていた。近野も自身のブログで「AKB48ではたくさん苦労したし、なかなか前に行けませんでした。器用貧乏って言われたこともありました。同期の中では1番早くデビューしたのに、どんどん抜かれていったりね。でも、そういう悔しい思いをしたからこそ、移籍を決断出来たんだよね。私の決断は正しかったと思います」と語っている。まさに「背水の陣」のごとくジャカルタで活動している。インドネシア人は義理と人情に篤い国民だ。苦労人である近野の努力が報われるようにと多くのファンが投票、ついに近野の神7入りを達成させた。酸いも甘いも経験してきた10年選手の苦労人・近野は、若いメンバーにとっても精神的な支柱としてJKT48の活動を裏で支えているのだろう。近野はブログで「有終の美を飾れそうです」と意味深なコメントもしているが、インドネシアのファンたちは近野のこれからの現地での活躍に期待している。(佐藤 仁)