スバル「インプレッサ」シリーズの派生型として誕生した「スバルXV」ですが、3代目にあたる新型は、シリーズのみならずスバルの主軸の一端をも担う「本命」になっていました。

社名変更のスバル、最初の新型車発表は「スバルXV」

 スバルのコンパクトなクロスオーバーSUVである「スバルXV」がフルモデルチェンジとなり、2017年3月9日より先行予約が始まりました。私(鈴木ケンイチ:モータージャーナリスト)がメディア向けの試乗会に参加したところ、先代モデルからの進化が確認できました。その進化の度合いは、昨年にフルモデルチェンジしたハッチバック版の「インプレッサ」と同様の、大きなものでした。


3代目になる「スバルXV」(画像:乗りものニュース編集部撮影)。

 新型の「スバルXV」は、全モデルに先進の運転支援システムである「EyeSight」を搭載。しかもすべてが4WDです。それでいて、価格は198万円スタートという思い切ったお手頃価格に設定されました。また、本格的なオフロード走行を可能とする電子制御システム「Xモード」も用意しています。さらに、2016年度自動車アセスメント(JNCAP)では、過去最高の得点を獲得したことで、「衝突安全性能評価大賞」まで受賞しています。走りがよくなって、安全性の高さを認められ、さらにコストパフォーマンスもなかなかのもの。スバルの渾身の1作といえるような内容になっています。

 しかし、それも当然のことでしょう。なぜなら「スバルXV」は、「インプレッサ」シリーズの本命だからです。

気が付けばスバルの主軸の一端に

「スバルXV」は、いまでこそ名称から「インプレッサ」の文字が消えていますが、もともとはハッチバックモデルである「インプレッサ」の派生モデルとして誕生しました。


2017年4月6日の新型「スバルXV」発表会にて、登壇したスバルの吉永社長(画像:乗りものニュース編集部撮影)。

「スバルXV」に採用の「スバルグローバルプラットフォーム」(画像:スバル)。

3代目「スバルXV」のステアリングまわり(画像:スバル)。

「インプレッサ」シリーズは、年間95.8万台のスバルの販売のうち、25.7万台を占める大きな柱。「レガシィ」の29.8万台、「フォレスター」の27.2万台に続く、第3位が「インプレッサ」シリーズです。

 同シリーズは、ハッチバックとセダン、クロスオーバーの「スバルXV」と3モデルが存在しています。ところが、先々代モデルの派生モデルとして誕生した「スバルXV」は、ぐんぐんと販売を伸ばしており、先代の最後には、世界中で販売される「インプレッサ」シリーズのなんと6割ほどが「スバルXV」、残りの4割がハッチバックとセダンという配分になってしまっていたのです。

 そんな状況では、「『スバルXV』は派生」などとは言っていられません。

SUVは世界の大激戦区

 クロスオーバーSUVは、日本だけでなく世界中でトレンドとなっているジャンル。数多くのライバルが存在し、販売にしのぎを削っています。出来がよければヒット間違いなしですが、出来が悪ければライバルにお客さんを持っていかれてしまいます。

 そのため、新型「インプレッサ」から採用となった「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」は、最初から「スバルXV」で使うことを想定されていました。デザインにしても、ハッチバック型が先ではなく、「スバルXV」も同時並行で進められたのです。とにかく、「いまのスバルとして出来ることをすべてやった!」という、そんな雰囲気を感じることができました。

 世界の激戦区に送り出すための「インプレッサ」で、一番売れている本命モデルが「スバルXV」。出来の良さには、そんな理由があったのです。