中国人留学生、自国での就職希望者が増加 各国の雇用情勢を反映

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世界第1位の経済大国である米国で学んだ中国人学生のうち、第2位の自国に戻って就職する人が増加している。中国政府の統計によれば、外国に留学した中国人学生のうち、帰国して仕事に就いた人の割合は2016年、約82%に上った。2012年には、約72%だった。

北京のシンクタンク、21世紀教育研究所はその理由として、諸外国の雇用市場が増加する中国人学生を受け入れられなくなっていることを挙げている。米国だけでなく、ニュージーランドやオーストラリアでも同様の傾向が見られる。

外国の大学で学んだ中国人学生たちも、卒業後に帰国する主な理由は留学先など外国での就職が難しいことであり、中国の民間部門の方が仕事を見つけやすい状況になっていると指摘している。

子どもを米国の大学に留学させる中国人富裕層の多くは、子どもが在学中に住むための家を購入している。だが、中国でも起業が一般的になる中で、学生たちは中国での就職により前向きになっているようだ。米国の学位を取得していることは、自国での就職には有利に働く。

中国教育省傘下の中国教育科学研究院の研究員も、学生たちにとっては中国国内の方が、仕事を見つけるためのより良いリソースやネットワークを活用できると指摘する。

米国で就職するのはインド人が最多

米国では各国からの留学生が卒業後に就職し、米国に残るためにはH1-Bビザ(非移民就労ビザ)の取得が必要となる。そのうち米国で修士またはそれ以上の学位を取得した者が対象となる枠は、2万に限定されている。

H1-Bビザ取得者のうち、米国で学んだ中国人留学生が占める割合は大きいものの、卒業後にインフォシス(Infosys)のようなインドの大手アウトソーシング会社に大量に採用されるインド人学生の数には及ばない。米国市民権・移民業務局(USCIS)によれば、H1-Bビザ取得者に占める中国人の割合は12%未満だ。

ドナルド・トランプ米大統領は移民政策を見直し、「最も優秀な人材」の確保に重点を置きたいとしている。ハイテク分野などに関連する高度な技能を持った外国人留学生を米国内にとどめることを可能にしているのが、H1-Bビザだといえる。このビザは3年間の就労を許可するもので、更新により3年間の延長が可能だ。

中国人留学生が多い米国の大学トップ10は、以下のとおりとなっている。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(イリノイ州)
南カリフォルニア大学(カリフォルニア州)
パデュー大学(インディアナ州)
ノースイースタン大学(マサチューセッツ州)
コロンビア大学(ニューヨーク州)
ミシガン州立大学(ミシガン州)
オハイオ州立大学(オハイオ州)
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(カリフォルニア州)
インディアナ大学(インディアナ州)
カリフォルニア大学バークレー校(カリフォルニア州)