2日、イタリア人神経外科医セルジオ・カナベーロ氏が「世界初の頭部移植手術が10月中にも中国のハルビンで行われる」と話し、是非を問う論争が再び巻き起こることが予想されている。資料写真。

写真拡大

2017年5月2日、環球時報によると、イタリア人神経外科医セルジオ・カナベーロ氏が「世界初の頭部移植手術が10月中にも中国のハルビンで行われる」と話し、是非を問う論争が再び巻き起こることが予想されている。

カナベーロ氏の取材を掲載したのはオーストリア誌「OOOM」。移植手術を受けるのは中国人の患者で、ハルビン医科大学の任暁平(レン・シアオピン)教授を中心とするチームが手術を行うという。

任暁平教授からは2カ月以内に中国で報道発表が行われるとし、具体的なスケジュールも明らかになるとしている。移植手術で最も大きなハードルは切断した脊髄を修復してつなぎ合わせて神経が四肢を動かせるようにすることだが、カナベーロ氏は、2016年に行った実験で、マウスと犬のひどく損傷した脊髄を修復しており、「この課題はすでにクリアした」と話している。

しかし、課題はクリアしたというカナベーロ氏の主張に懐疑的な見方は少なくない。シンガポール華字紙・聯合早報は、医学界の主流からは認められておらず、移植手術の詳細が明かされないことが疑問視されていると伝えた。脊髄の修復術が確立できたなら、まひ状態の治療にも活用できるはずなのに、そうしていないことから、頭部移植にも懐疑的な人が多いという。

米国のビジネスや技術を専門に扱うニュースサイト・ビジネスインサイダーや、ドイツのメディアなども、カナベーロ氏の主張に対して否定的な見方を伝えている。手術がどのような影響をもたらすかも未知数で、メディアの中には「えせ科学」との批判もある。

また、「なぜ中国?」という点にも疑問符がついているが、これについてカナベーロ氏は、医学の成長著しい中国には手術を成功させるための環境がそろっていることや、任暁平教授との信頼関係が築けていること、5年間中国語を勉強し続けていることなどを理由に挙げた。

なお、任暁平教授は15年9月に環球時報のインタビューに応じた際には、不確定要素は多いが、手術を行う場合、具体的にいつ、どう行うかは、国や法規によることで、関係する政府機関が検討するとしていた。(翻訳・編集/岡田)