『あなたのことはそれほど』(c)TBS

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 火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)で、主人公・美都(波瑠)とW不倫の関係に溺れていく、有島光軌を演じる鈴木伸之。劇団EXILEの一員である彼は、これまではどちらかといえば男くさいキャラクターを演じてきた印象が強かった。そんな鈴木が、不倫男の役に挑戦する本作への反響は大きい。

参考:W不倫だけじゃない! 『あなたのことはそれほど』ヤバすぎる脇役たち

 鈴木が演じる有島は、いわゆるイケメンでモテるタイプ。女性をエスコートする優しさと、相手をその気にさせるスマートさも兼ね備えている。既婚者であることを隠して美都と関係を持ち、妻の里帰り出産中に不倫旅行へ。その言動に、視聴者からの非難の言葉が飛び交ったが、一方で「カッコいい」「キュンとした」「クズなのに好きになっちゃいそう」と、どこか憎みきれないという声も目立つ。不倫男は女の敵。モテ男は男の敵……有島はまさに視聴者の敵なのにも関わらず、気になる存在として話題になるのは、彼の持つ愛され力が発揮されているのではないだろうか。

 ストイックでアツいメンバーが集うLDHにふさわしく、鈴木自身もまっすぐな体育会系男子のようだ。鈴木は、2010年に行なわれた『VOCAL BATTLE AUDITION 2』に、歌手を目指して挑戦するも落選するも、表現者となる夢を諦めず『第3回劇団EXILEオーディション』へ再チャレンジ。見事合格し、俳優として歩みだした。2014年には『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)で野球選手、『水球ヤンキース』(フジテレビ系)で水球選手に扮し、ストーリーを盛り上げる悪役としても注目を集めた。2015年には大河ドラマ『花燃ゆ』(NHK)にも出演するなど、俳優として順調な歩みを見せており、今年7月公開の映画『東京喰種トーキョーグール』では正義感の強いエリート捜査官に挑戦する。185cmの長身&アスリート並の身体能力を活かした、迫力あるアクションも楽しみだ。

 美しいビジュアルを持ちながらも、親しみやすさがあるのも鈴木の魅力。2016年の映画『HiGH&LOW THE MOVIE』の公開時には、出演したEXILE AKIRA、岩田剛典、鈴木の3人が焼肉店で食事をしながらフリートークを繰り広げる『HiGH&LOW×NEWS ZERO ここでしか見られない!映画公開記念SP!!』(日本テレビ系)が放送された。そのオンエア内容を見返してみると、注文する際に、まず「大ライス」と無邪気にオーダーする鈴木の姿が。鈴木は、LDHの中でも食いしん坊キャラが浸透しており、過去には番組で関口メンディーと肉の大食い対決をしたことも(ちなみに、この対決は肉850グラムを完食したものの、ライスが進みすぎて敗北……)。『あなたのことはそれほど』でも、有島が食事をするシーンがときどき見られる。バクバクと気持ちよく食べる姿は、ひとつの見どころかもしれない。

 また、食事会では鈴木が、以前EXILE AKIRAの家に泊まったときの話を暴露すると言い出す。何事かと周囲が身構えるも、鈴木の口から語られたのは「朝、勝手に冷蔵庫を開けてスポーツドリンク1本もらいました。急に思い出しちゃいました」と、なんともほっこりとするエピソード。これにはEXILE AKIRAも「(それは気にしなくて)いいでしょ(笑)」と吹き出す。きっと鈴木は、自然と人の懐に入れるタイプなのだろう。『月刊EXILE』(VOL.110 MAY 2017)のインタビューでは、「昔、東出(昌大)くんがアパートに住んでいたころは、しょっちゅうみんなで遊びに行ってましたね」と、本作で共演している東出との距離の近さを伺えるコメントも飛び出している。「赤ちゃんを抱くシーンの練習にうちに来なよって言ってくださって、すごくありがたかったです」赤ちゃんを抱いたときの表情は、鈴木のブログでも公開されている。ぎこちない手つきと、恐る恐るな表情はとてもほほえましく、人の良さがにじみ出るようだ。

 また鈴木は、『月刊EXILE』のインタビューで役作りで心がけていることについて「役柄に関することを調べるのはもちろんですが、人それぞれいろんな考え方があると思うので、自分の周りの人に話を振って、できるだけ多くの意見を聞くようにしています」と語っている。既婚者かつパパという今の鈴木とは異なる有島の役も、そうして周囲の意見を吸収してひたむきに取り組んでいるのだろう。「有島みたいに禁断の恋に手をだす勇気はないですし、逆の立場で考えたときに、自分がされたら絶対許せないです」と、恋愛観も有島とは真逆のよう。誠実な鈴木だからこそ、憎たらしくも気になる魅力的な悪い男が演じられるのかもしれない。第2話では、ベッドシーンなどセクシーな演技にも挑戦し、まさに新境地を開拓しようとしている鈴木。その成長を見届けるという視点でも『あなたのことはそれほど』を楽しめるのではないだろうか。(佐藤結衣)