500枚以上の音楽CDをNASへ全部データ化したら音楽生活始まった。なぜ今までやらなかったのかと後悔
CDを買わなくなったのはいつからだろう。おそらく最後に買ったCDは、ドイツ・グラモフォンの「Karajan Symphony Edition」38枚組じゃないかな。全集系のCDボックスは、たまに買っていましたが、シングルはもちろん、アルバムもずっと買っていません。だからといって音楽をまったく聴かないわけでもなく、ウォークマンやiPhoneなどで、CDからデータ化していたものや、ダウンロード購入したもの、Amazon Musicを利用するなどして聴いていました。



▲こういう全集的なものは、CDボックスで手に入れたほうがダウンロードするより断然安く済む。それでも最近はまったくCDを買っていない。

ただ、CDプレーヤーにセットして聴く機会はほとんどなくなりました。クルマにもHDDが搭載されていて、1度CDをセットすればデータ化され、あとはCD不要に。つまり今後CDを残しておいても、単なる棚の肥やしになるだけです。

そこで、思い切って持っているCDをすべてデータ化することにしました。え?いまさら?という声が聞こえてきそうですが、CDボックスを含めると、500枚以上あるためなかなか腰が重く、実行に移せませんでした。

昨年、ウォークマン「NW-A30」を購入し、今年になってSynologyの「DiskStation DS216j」を導入したことで、NASへ音楽を溜めておけばどこからでもアクセスして聞ける環境が整うため、重い腰を上げるきっかけにもなりました。そんなわけで、筆者が行った音楽CDデータ化作戦についてご紹介していきます。



参考:ストレージサービスからNASへ、SynologyのNASが変えたファイル管理のありかた。ちょっといい買い物をしました

▲ウォークマン「NW-A30」を昨年購入。外出時は必ず携帯して楽曲を聴いている。

データ化するのは「Media Go」か「iTunes」か


まず、最初に決めなければならないのが、保存するファイル形式です。これまでは、ウォークマンでの利用がメインだったため、ATRAC3形式を利用していました。ところが、ソニーはこの形式に見切りをつけ、現行の転送用ソフト「Media Go」では変換形式に含まれなくなりました。まぁ、別にこの形式に拘る必要はないので無問題ではありますが、mp3はギャップレス再生(曲と曲の間に無音状態が挟まり、ノンストップ系のアルバムだと途切れてしまう。そのようにならないよう再生できること)に関して、いい印象がないのでパス。そこで、せっかく保存するのであれば音質をあまり落としたくなかったので、可逆圧縮のロスレス形式にしようと思いました。

ロスレス形式にもいくつかありますが、ハイレゾ音源でも利用されているFLACか、Appleロスレス(m4a)の2択でしょう。前者は「Media Go」で扱えウォークマンで聴けますが、「iTunes」で扱えないのでiPhoneやiPodで聴くのは面倒。後者は、どちらのソフトでも扱えるのでウォークマン、iPhone/iPodどちらでも聴けます。このため、iPhone/iPodユーザーならiTunesで扱えるAppleロスレスをオススメします。ウォークマンの場合は、Media GoはCDからAppleロスレスへ変換ができないため、Media Goだけで完結したいなら、FLAC形式がオススメです。楽曲はiTunesとMedia Goで共有できるので、面倒でなければiTunesを使ってAppleロスレスでデータ化し、Media Goで管理してもいいでしょう。



▲「iTunes」で行なうなら、「編集」メニューの「設定」で「詳細」を選択。「[iTunes Media]フォルダーの場所」をNASの保存用フォルダーにする。

今回筆者は、メインがウォークマンなのでMedia Goだけで完結させるためFLAC形式でデータ化することにしました。ちなみに、同じ楽曲をFLACとAppleロスレスで圧縮してみましたが、ファイルサイズはほぼ同じで若干FLACのほうが小さくなります。データ化する時間もほぼ変わりませんでした。なのでどちらでやっても作業時間も変わらないでしょう。



▲上がFLACでの圧縮、下がAppleロスレスでの圧縮。わずかにFLACのほうがサイズが小さくなる。久石譲の「風の谷のナウシカハイテックシリーズ」(37:39)のデータ化時間はどちらも1分49秒ほどだった。

保存先をNASにするためドライブを割り当て


保存先はNASにするということで、まずNASに保存する場所を用意します。synology「DiskStation DS216j」は、単なるファイルサーバーではなく、機能を追加することでミュージックサーバー化もできます。今回は「Audio Station」をインストールすることで、どこからでも楽曲へアクセスして聴けるようにしたいと思います。



▲Diskstationは、機能追加が簡単にできるのが特徴。音楽管理系はいくつかあるが、今回は「Audio Station」をインストールして利用できるようにした。

インストールすると、「music」フォルダーができるので、そこにMedia Goでデータ化した楽曲をどんどん保存していきます。Media Goのデータ保存先として指定するには、ネットワークドライブに、このmusicフォルダーを割り当てます。ネットワークドライブを右クリックして「ネットワークドライブの割り当て」を選択し、NASのmusicフォルダーを指定。NASへのログインがWindowsのアカウントと違う場合は、「別の資格情報を使用して接続する」チェック。ログインウィンドウが現れるので、ログインすれば完了です。



▲「ネットワークドライブの割り当て」でNASの保存先をドライブ化しておく。

Media Goへ移り、「ツール」メニューの「ユーザー設定」で「CDインポート」を選択。「トラックのインポートに使用するフォーマット」を「FLAC」にし、「転送先フォルダ」を作成してネットワークドライブにします。筆者の場合、「music」フォルダーの下に「Media Go\music」という階層にしています。



▲「music」フォルダーの階層構造。Media Goの下にMusicフォルダーを作ったのは、iTunesでMedia Goのフォルダーを保存先に指定すると、musicフォルダーを作成してその下に楽曲を保存するため。



▲「Media Go」の「ツール」メニューの「ユーザー設定」から「CDインポート」を選択。フォーマットは「FLAC」、転送先フォルダはNASのネットワークドライブにする。

その後、「ファイル」メニューから「ライブラリからメディアを追加/削除」を選択し、「詳細」をクリックし「ミュージックフォルダ」をNASのフォルダーに。あとは、以前使っていたフォルダーがチェックされていれば、それまで保存していた楽曲は自動的にNASへ保存されます。



▲「ファイル」メニューから「ライブラリからメディアを追加/削除」で、これまで保存していたデータも、新しい保存先へ移動。

これで準備は完了です。あとはひたすらCDをドライブへセットしてデータ化していくだけです。楽曲にもよりますが、アルバム1枚データ化するのに3分から3分半。楽曲の情報はネットからほとんど見つけてくれますが、複数ある場合があり、そのときはどの情報を利用するか選択するとデータ化が始まります。ジャケット画像は私が持っているものがマイナーなのか、自動で引っ張ってこないことが多かったです。ただ、ネットで検索すると何かしらジャケット画像は存在していたので、それをダウンロードして使いました。



▲こんなふうに、複数の情報があると、選択してからCDのインポートを実行する。情報が1つのときは自動でインポートが始まる。



▲データ化する際、CDのライナーノーツとか見ちゃうと、作業が滞っちゃうことも。おニャン子世代だけど、当時はレコードからCDの過渡期だったので、CDとしてはあまり残っていなく残念。ちなみに推しメン(当時はそんな言葉なかったけど)は高井麻巳子でしたよ。

原稿執筆時点では、まだすべてのデータ化が終了していません。400アルバム4600曲以上データ化しましたが、ファイル容量は129GBほどです。256GB版のウォークマンを購入すれば、余裕で全曲入ります。残念ながら筆者が購入したウォークマンは16GB版なのですが、SDメモリーカードに対応しているので、128GBを購入すればなんとか入る感じです。メモリーカードは高いですが。



▲執筆時点での状況。ジャケット画像は、1/3ぐらいは検索して見つけて割り当てている。

NASの「Audio Station」は、特に設定せずとも保存された楽曲はジャケット画像も含めて認識してくれるので、特に問題はないですね。スマホ用のアプリもあり、どこからでもアクセスして音楽を聴けます。また、DLNAにも対応し楽曲を共有でき、USB DAC/Bluetoothにも対応しているので、オーディオアダプターをNASのUSB端子へ接続して、NAS単体で楽曲を聴くこともできます。USB周りは今後挑戦してみたいなと思いました。



▲ジャケットの画像もしっかり認識してくれた。ただ、Media Goで画像を指定した場合は、たまに認識してくれないことも。そんなときは、コントロールパネルから「メディアインデックス付け」で「再インデックス」を実行すると認識してくれる。それでもダメなときは、Audio Stationで画像を指定することもできる。



▲スマホ用アプリ「DS Music」。どこからでもアクセス可能で、音楽をストリーミング再生できる。ダウンロードして利用も可能。

ちなみに、ブラウザー上で「Audio Station」を使って再生すると、MP3に変換するためか、音質は落ちました。また、Windows 10の「Grooveミュージック」アプリを使って再生してみましたが、Media Goで再生したほうが音はいいようです。



▲ブラウザー上から再生できるのは手軽でいいが、音質的には落ちてしまう。



▲Windows 10の「Grooveミュージック」アプリで、NASのデータフォルダーを指定すると、ジャケットも認識して利用可能に。音質は若干Media Goより劣る。

こうして、CDをデータ化することで、普段の生活でも音楽を聴くようになりました。これまではウォークマンへ転送し、外出時に聴くだけでしたが、パソコンから音楽を流して仕事をしています。データ化してよかったのは、当たり前ですがCDを変えなくても次々別のアルバムになってくれること。あと、これはクラシックではよくあるのですが、例えばベートーヴェンの交響曲全集では、CDの容量の関係で第2と第7が1枚のCDになっていたりして、第1から第9まで続けて聴けなかったりします。それも並び替えて(プレイリストでも可)しまえば順番どおり聴けます。

こうなってくると、もうちょっといい音で聴きたいなぁと欲が出てくるもので、ヘッドフォンやオーディオ機器も含めて、ちょっと物色中です。みなさんも、棚に並んだCDを一気にデータ化してみると、音楽に触れ合う機会もグッと増えると思いますよ。