歯磨き時には舌をよく観察してみては

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米俳優のヴァル・キルマー(57)が2017年4月27日(現地時間)、米国の電子掲示板「Reddit(レディット)」上でファンからの質問に対し、自身が「舌(ぜつ)がん」を発症しており現在も治療中であることを明らかにした。

昨年11月に俳優のマイケル・ダグラスがニューヨーク・ポスト紙に対し「ヴァル・キルマーは末期の咽喉がんだと診断され、体調はよくない」と答えていたが、キルマーは自身のフェイスブック上でこれを否定。マイケル・ダグラスは謝罪していた。

今も治療中だが経過は良好とコメント

ヴァル・キルマーは1986年の映画「トップガン」でトム・クルーズの同僚アイスマン役を演じ、1995年には「バットマン フォーエヴァー」でバットマン役を務めたことでも知られる俳優。

若いころは精悍な外観だったが2000年代中期ごろから肥満体となり、ファンからは嘆く声も聞かれていた。しかし、2014年になりやせ衰えて急激に老け込んだ姿が撮影され、2015年ごろには髪の毛も薄くなり、喉にはチューブを通した手術跡のようなものも見られたことから、重病説が出ていた。

今回キルマーはレディット上で定期的に開かれている、ハリウッド俳優がファンからの質問に直接回答するイベント「Ask Me Anything」に登場。ファンから寄せられた「以前、マイケル・ダグラスがあなたは末期がんだと言っていたが、実際はどのよう状態なのか」という質問に対し、「多分、彼(マイケル・ダグラス)は私が治療している場所を耳にして、末期の咽喉がんだと勘違いしたのだろう」と答え、

「今までがんを治療していたし、今でもまだ舌の治療を続けている」

と、咽喉がんではなく舌がんであることを明かした。しかし、がんからは回復しつつあり、「まだ舌は腫れているが、徐々に回復している」とも書き込んだ。

舌がんはその名の通り舌に発生するがんだ。国立がん研究センターの「がん情報サービス」によると、舌の前3分の2(口を開けて普通に鏡で見える範囲)や舌の縁、下面に発生するがんで、口の中に発生する「口腔がん」の約50〜60%を占めるという。男性に多く、50歳から70歳代に発症することが多いが、50歳未満も患者の4分の1を占めており、若年でも発症することがある。

公的な統計では舌がんのみの統計はなく、がん研究センターの「がん統計」でも口腔がんとしてまとめられているが、死亡数や罹患者数は胃や大腸、肺、肝臓などの主要ながんに比べると低い。ただし、確実に増加しつつあり、2002年には1万959人だった罹患者は2012年に1万9232人となっている。

患者が自分で気がつくことが多い

原因が気になるところだがリスク要因は不明で、飲酒や喫煙などの化学物質による刺激や、歯並びが悪いために歯が常に舌にあたる、合っていない入れ歯や虫歯による刺激などが、舌がんを誘発すると考えられている。

確実な予防法もわからないが、舌という日常的に自分で観察しやすい部位のためか、がん研究センターによると患者の約3分の2は、早い時期に自分で気がついて受診しているようだ。典型的な症状は舌の両脇の部分にできる硬いしこりで、痛みや出血などはないことも多い。舌の先端や真ん中にできることは少なく、舌の下面にできたがんは見落としがちなため、進行した状態で受診する患者も少なくないという。

仮に発見された場合、基本的には手術による切除と放射線治療が中心となり、進行の程度で抗がん剤治療も組み合わせる。末期の場合、切除できないこともある。キルマーの舌の腫れや頭髪が薄くなっていたのも、こうした治療の影響だったのかもしれない。