4月22日・23日に開催された、大阪府堺市が所有する優美なスタイルのBMW車を展示する「堺市ヒストリックカーコレクション」(堺市BMWコレクション)の見学会

BMW社がモーターサイクルから自動車に進出した初期に作られた、珍車とも言うべき車が「BMW F79 スリーホイーラー」です。この車は未レストアの状態で堺市BMWコレクション に保管されていますが、世界でもこの車両一台しか現存しないといわれている超希少車です。

スリーホイーラーの名の通り、前2輪・後1輪の3輪車で、エンジンはBMWのモーターサイクル用を流用し、モーターサイクルの駆動輪を後輪に配置した構造になっています。BMW社が経験済みのモータサイクルのメカニズムを取り入れた点が興味深い1台です。

そして戦後のBMWで忘れらないのが、車体の前面から乗り降りするユニークなスタイルのイセッタです。 堺市BMWコレクションでは、初期の3輪の「BMW Isetta 250」「BMW Isetta 300」から四輪化された4人乗りの「BMW Isetta 600」までの複数のイセッタがコレクションされています。

イセッタの次は、近代の1973年式「BMW 2002 Turbo」をご紹介します。この車種は世界で初めてターボチャージャーを搭載した量産車として有名で、2002シリーズの頂点に位置する名車です。

現代では、小排気量エンジンにターボチャージャーを組み合わせた省エネ車として、ダウンサイジング・ターボ車が増えていますが、他社に先駆けて量産車にターボを搭載したBMW社が、ターボ車の先陣を飾ったことになります。

今回の見学会では BMW 2002 Turboのエンジンを始動するデモンストレーションも実施され、「羊の皮を被った狼」と呼ばれた当時のエンジン音を響かせていました。

珍しい車として印象に残ったのは、BMW社に買収されたGLAS(グラース)社のコレクションです。

堺市BMWコレクション には、「GLAS 2600 V8」をはじめとして、「GLAS 1300 GT Cab(カブリオレ)」「GLAS 1700 TS」など、目にする機会が少ないハンス・グラース車の車輌も収集されており、BMWに関連のある車を収集しようとするコレクターの執念を感じました。

このように堺市BMWコレクションのBMW車は、BMW社が歩んできた歴史を網羅するように収集されており、BMWファンにとって貴重な資料となるコレクションであるばかりでなく、自動車全体の歴史にとっても重要なコレクションと言えます。

(山内 博・画像:山内撮影)

定番のあのモデルから珍しいあのクルマまで。BMWの歴史を網羅するコレクションの車輌たち【堺市BMWコレクション】(http://clicccar.com/2017/05/02/467901/)