こんなはずじゃなかったのに!(いい意味でも、悪い意味でも)

皆さんは、映画のチョイスをミスった経験ってありませんか? 単純な映画の良し悪しという話ではなく、タイトルを見間違えたとか、デートで見にいったら気まずくなったとか、要は自分の求めていたもの/シチュエーションにミスマッチした映画を選んでしまった経験です。

今回は、そんな「チョイスをミスった映画」エピソードをギズモード・ジャパン編集部の中の人から集めてみました。読者の皆さんもご自身の経験を思い返しながらお楽しみください。


abcxyz(ライター)


動画はimagicacorpmoviesより


私にとって一番の「ミスチョイス映画」はイタリアンホラーの巨匠ダリオ・アルジェントの『サスペリアPART2』です。

ホラー映画好きだった私は、アルジェント監督の『サスペリア』(1977年)がお気に入りでした。斬新な色合い、ゴブリンによる印象的で耳に残るキャッチーさとおどろおどろしさを兼ね備えたテーマ音楽、創意を凝らしたデスシーンの数々…。これに感銘を受けた私は、レンタルビデオ屋さんでは見たことなかった『サスペリアPART2』をDVD屋さんで見つけ、なけなしの小遣いで衝動買いしてしまいました。当時は既にホラー映画の日本版タイトルの詐欺まがいさも知ってはいましたが、『サスペリアPART2』は監督もアルジェント、音楽にもゴブリンが参加! これは間違いないだろうと思い買ったのですが、実際見てみると大いに期待はずれ…。

それもそのはず、この2作品は関連性がないどころか、『サスペリアPART2』は1975年製作で『サスペリア』よりも昔! バレエ寄宿学校を舞台にした『サスペリア』と違って可愛い女の子もあまり出てこないし、魔女の登場する超常現象系ホラーでもなく、『サスペリアPART2』は残酷な殺人シーンこそあれどサスペンス映画。『サスペリア』の続編を期待した上にお小遣いまではたいて買ったこともあって、胸一杯の残念感に包まれたのでした。

しかし決して『サスペリアPART2』が悪い作品というわけではなく、アルジェントらしさも楽しめる良作なんですけどね。「期待する前に下調べすること」という良い教訓になった作品です。


岡本玄介(ライター)


動画はsonymacxより


L.A.で独り暮らしをしていた頃、東京から友人のK君が数カ月間うちに居候していた時期がありました。ある日彼を映画に付き合わせ、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と『ホーンティング』をハシゴして見たその後……。私は『ブレア・ウィッチ』のショッキングで不可解すぎる結末に頭を悩ませ、K君とあらゆる可能性などについて話をした挙句、考えすぎて眠れないまま朝を迎えてしまうほどでした。一方K君は『ホーンティング』で主人公エレノアの生い立ちと彼女に起こった結末に合点がいかないらしく、お互い議論は微妙に噛み合わず3日ほどあーだこーだとムダに時間を過ごしたのでした。


動画はParamountmoviesJPより


お化け屋敷映画『ホーンティング』は『たたり』(1963年)のリメイクですが、ヤン・デ・ボン監督がCG幽霊を多様し前作の雰囲気をブチ壊したガッカリ作品としても知られます。まだ前作のほうが頭を抱えて然りだと思うのですが、私は単純明快にして恐怖感ゼロの『ホーンティング』が理解できないというK君に「マジで?」と頭を抱え続けたのでした。


勝山ケイ素(ライター)


映画のチョイスミスと言えば、「とりあえずネット検索」という考えが無かった頃のレンタルビデオ。パッケージの記載情報だけで内容を判断しなければならず、再生したら想像と全く違ったなんてことはよくありましたよね。中でも強烈に記憶に残っているチョイスミス映画は『アホリックス』と『戦革機銃隊1945』です。


動画はmonhan19920724より


 『アホリックス』は『マトリックス』のパロディ作品で、休日に“家族と笑って見る”つもりがミスだったパターン。下ネタが激しく、開始20分で女性の上裸が登場するというお茶の間フリーズ映画でしたが、幸い(?)家族は爆睡していたのでセーフ。「B級映画にお色気はつきもの」と学んだ映画です。


動画は戦争映画予告編 WAR MOVIE TRAILERより


 『戦革機銃隊1945』は「撃ちまくるB級戦争映画で頭カラッポにしよう」と借りたらヘビーな内容だった逆タイトル詐欺映画。パッケージは戦場のど真ん中感があるのに、実際にはトラウマを抱えた兵士が戦場から逃げて森を歩く映画でした。戦争で傷ついた人々と出会い、異様な光景を目の当たりにしていく旅路は「頭カラッポ」と真逆のものでしたが、荒涼とした空気に魅力を感じて最後まで見てしまいました。終盤にはアクションもありますし、主人公達が辿り着く答えにも胸を打たれ、今でも思い出す「間違えて見て良かった映画」です。

 「あなたへのオススメ」も「作品の評価」も無い場所で選んだ映画がこれほどまでに忘れられないのは、「自分で見つけた」と感じるからかもしれません。


小暮ひさのり(ライター)


失敗した映画の話しをと言われると、どうしてもスティーヴン・キング作品を語らねばなりません。


動画はUniversalMoviesJPより


最初は19歳の頃、年上の彼女との初デートで見に行った『グリーン・マイル』のショッキングな演出と、誰も報われない感により、僕のウキウキデート計画は見事に破綻しました。始まる前は「映画おもしろかったね♪」「そうそうあそこで〜……!」なんてキャッキャウフフとした映画話しを期待していたのですが、現実はその真逆の結果となり、ふたりとも鬱蒼とした気分のままの無残な結果となりました。


動画はtaumu01より


26歳、年下の彼女と一緒にレンタルして一緒に観たのが『ミスト』です。今度のスティーヴン・キング作品は、きっとあの時の記憶を上書きしてくれるに違いない!と信じて手に取った1本です。わかっている方なら、もうこのチョイスの時点で「やめろ! それはやめておけ!」と言う声が聞こえてきそうですね。結果は言うまでもありません。

「うわ……ひどい」

彼女の放った言葉は今も覚えています。どちらを借りるか悩んだ末脱落させた『トゥルーマン・ショー』にしておけばよかった。助けてジム・キャリー……。

いや、『ミスト』自体は本当に演出もテーマも秀逸で、名作だと思うんですけどね! カップルで見るべき作品ではなかっただけということです。しかしどうやら、近々ドラマ化されるらしいですよ。国内に輸入されるのはまだまだ先になりそうですが、もし見られる機会があればもう一度。今ではお互いの呼び方が変わりましたが、当時一緒に『ミスト』を見た者同士で、もう一度挑んでみようと思います。


中川真知子(ライター)


動画はbakumatu21212より


『ハード・デイズ・ナイト』(2001年):『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』(1964年)が別タイトルでリバイバル劇場上映していたので当時の恋人と鑑賞。ビートルズファンだった筆者はノリノリ。全く興味なかった元彼は「面白かったね」といいつつ付き合わされた感が見え見え。どっちが悪いというわけではありませんが、価値観の不一致を決定づけた形になり、そうそうお別れに。


動画はTouchstoneOnDemand's channelより


『6デイズ7ナイツ』(1998年):上映されている映画は全部見ておきたい!と超張り切っていた10代。当時、いい感じだった男子と一緒に見に行ったのは、ハリソン・フォードとアン・ヘッシュのちょっと無理あるサバイバル・ロマンス映画。見終わったあとにエセ評論家のごとく映画の感想を弾丸トークし始めた筆者に、心底ゲンナリした顔で「映画の感想を語りたくて一緒に見たわけじゃないんだけどな」と男子がポツリ。あぁ、恋が終わったなと。


動画はAwesoftより


『子熊物語』(1988年):筆者ではなく父のチョイスミス。自他共認める動物好きだった筆者の記念すべき初映画に父が選んだのは『子熊物語』。当時、なぜか『子猫物語』『子鹿物語』と同等の扱いを受けていた本作ですが、この映画を構成するのは、巨熊の事故死、迫力の雄叫び、プーマに襲われ流血ながらも危機一髪にげのびる子熊、迫り来るハンターといったとてもシリアスなもの。『子猫〜』『子鹿〜』のテンションとはかけ離れた作品なのに、配給会社のミスリードと父の事前調査不足が原因で筆者は映画館恐怖症に。


ヤマダユウス型(ライター)


動画はMorinoMashioより


小学生の頃、友達と『ドラえもん』を見に行こうということで映画館に行ったら『どら平太』と間違えていて、仕方ないのでタイトルがカッコ良くてなおかつ上映時間が長い『グリーン・マイル』を代わりに見ました。時間が長い方が得だろうという判断もあった気がします。しばらく、おしっこが怖くなりました。


傭兵ペンギン(ライター)


動画はJean-Claude Vandammelibraryより


これから公開される待望の続編も楽しみな『ブレードランナー』。「レプリカント」と呼ばれる人間と寸分たがわぬ人造人間が強制労働をさせられている未来を舞台に、かつて逃亡レプリカントを追う特殊捜査官「ブレードランナー」だった男が、脱走したレプリカントを追う中で、人間とは何をもってして人間なのかという自己認識に疑問を感じていくというSFの名作。

初めて見たのはTV放送でだいたい小学生くらいの時のこと。主人公のアクションが格好良くって大好きな作品でした。そして中学生になって映画好きの仲間も増え、ある時『ブレードランナー』の話になったのですが……どうも話が合わない。

私の見た『ブレードランナー』にもかっこいい車は出てきたけど、「レプリカント」なんて出てこなかったし、主演もハリソン・フォードではなかった気がする。しかも、蹴りがかっこよかったみたいな話にみんなノッてこない。お前ら一体何を見たんだと思いつつも、そこはなんとなく話を合わせたのですが何かが引っかかる……。

またそれからしばらく経って、改めて『ブレードランナー』を観てみると、予想通りにまったくの別物。では”俺の『ブレードランナー』”はなんだったのか。

なんとそれは……ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の映画『タイムコップ』だったのです。同じく近未来を舞台に、タイムトラベル犯罪者を追う特殊捜査官「タイムコップ」の活躍を描く物語。

どちらもコンセプトアートをシド・ミードが手がけていたのが勘違いの原因……かどうかはわかりませんが、今ではどちらも思い出深い大好きな映画です。


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こうして見ると「チョイスをミスる」ことも映画との出会いの一つ。シチュエーションも含めて、より記憶に残る体験になるのかもしれませんね。


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image: studiostoks / Shutterstock.com
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(ギズモード・ジャパン編集部)