1日、韓国のサムスン重工業の造船所でタワークレーンが倒壊し28人の死傷者が出た事故は速報も含め韓国で大きく報じられたが、次第に明らかになる現場の内情を受け、ネットでは悲しみややりきれなさが広がっている。資料写真。

写真拡大

2017年5月1日、韓国南部、慶尚南道(キョンサンナムド)巨済(コジェ)市にあるサムスン重工業の造船所でタワークレーンが倒壊する事故があった。28人の死傷者を出したこの事故は速報も含め韓国で大きく報じられたが、次第に明らかになる現場の内情を受け、ネットでは悲しみややりきれなさが広がっている。

聯合ニュースなど韓国の報道によると、サムスン重工業は1日、今回の事故で死亡した作業員6人は「協力業者」と呼ばれるいわゆる下請け業者など5社の非正規職員で、残る重軽傷者22人についてもほとんどが協力業者の職員とみられると明らかにした。

この日韓国は「勤労者の日(メーデー)」の休日で、週末や子どもの日(5日)を含む飛び石連休のさなかだった。社側は事故当日に1万5000人余りの職員が勤務していたとしているが、正規職の社員は、現場の業務により必要な例外を除きほとんどが休みを取っていたという。また、事故の起こった現場では来月に迫った納期に間に合わせるため作業員らは休みが取れず、休日特別勤務をしていたことも分かった。

事故は、800トン級の大型クレーンと32トン級のタワークレーンが衝突し、タワークレーンの一部が建造中の海洋プラント上に倒壊する形で起こった。2日、サムスン重工業は事故原因について、二つのクレーンが同時に作業・移動する際には信号係と操縦者が信号をやりとりし衝突などを避けるが、この信号のやりとりが当時行われていなかったか、操縦者が信号を読み間違えた可能性があると明らかにしている。

一方、警察による調べで、被害に遭った作業員らは事故当時、狭い造船所敷地内で一時休憩を取るため1カ所に集まってたばこを吸うなどしており、これが被害が大きくなる原因にもなったことが分かった。

こうして明らかになる事実に、韓国のネットユーザーからは数千に及ぶコメントが寄せられている。中では「メーデーに実に悲しいニュースだ」と悲しむコメントのほか、「そんなことだろうと思った」「非正規だって同じ人間だぞ。正規社員のために犠牲になる消耗品じゃない」「下請けで働く人たちは現代の奴隷だ」「勤労者の日に休ませないで、いつ休めって言うんだ?」と、下請け業者や非正規職員の労働環境をめぐり企業を批判するコメントが目立つ。

また、「力のない者だけが死んでいく、ふざけた国だ」「似たような事故が続いているのに何も変わっていない。ヘル朝鮮(地獄のような韓国)の名にふさわしい最低な国だな」「次の政権でもこういう問題を改革できないなら、国を畳んだ方がいい」など、これを国の問題として捉える声も多くあった。(翻訳・編集/吉金)