【質疑応答】内山監督、初の世界大会を「東京五輪とフル代表につなげる」《U-20W杯》

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▽日本サッカー協会(JFA)は2日、今月20日に開幕するFIFA U-20ワールドカップ韓国2017に出場するU-20日本代表メンバー21名を発表した。

▽会見に出席した内山篤監督は、メディア陣の質疑応答に応対し、選手の選考基準や同大会に出場する意義について言及。また、今大会が課題や現実を突きつける厳しい大会になると推測しながらも、東京オリンピックやフル代表につなげるためにアグレッシブに戦いたいと意気込んだ。

◆内山篤監督(U-20日本代表)

――AFC U-19選手権から進化させてきた部分とこのメンバーでどのようなサッカーをしたいか

「特にAFC U-19選手権の決勝では個々のフィジカルが高いサウジアラビアに苦戦して、チームのコンセプトとするボールを奪って攻撃に出ていこうという中でなかなか意図的にボールを奪えなかった。個々の判断のところで身体能力が高い選手にてこずってしまったところがあった。前のドイツの遠征、南米の遠征、Jリーグの厳しい戦いの中でそういった個々の粘り強さと判断の柔軟性の部分は強化してきた。チームの方向性としては変わらないが、守備のところでは粘り強く戦わなくてはいけない。そういうところを求めてきた」

――メンバーの選考基準について

「最終ラインに関しては1次予選、2次予選を無失点で終わったこともあり、ベースは基本的に変わらない。杉岡(大暉)くんに関してはJリーグでのパフォーマンスが非常に高く、レギュラーとして安定している。そういう部分も含めて、今までの予選には入っていなかったが招集した」

「中盤に関してはあまり変わっていないが、本大会で長くボールが持てるとは思っていない。アジアより支配されることもある。基本的にはマイボールになった時に簡単に失わない。しっかりと前向きの時間を作れる選手をベースとして考えている」

「攻撃に関しては世界の大会ということで簡単ではないが、よりクオリティの高い選手、チャンスメイクできる選手を選出した。嬉しいことにここ最近の数試合で代表の選手がJリーグでも得点を決めている。良い部分を継続したまま大会に入れたなと思っている」

――グループステージで対戦するチームのイメージについて

「南アフリカに関しては、予選を観ると身体能力が非常に高いが、ゲーム自体はオーガナイズされていない。個々の能力や意外性は迫力がある。我々代表選手も少し前にアフリカのマリ代表と試合をしたが、マリのテクニカルな部分よりもどちらかといえばフィジカル中心なチーム。そういった意味でも組織で対応していく。間延びしてしまうと難しくなってしまう。3戦全てに言えることだが、生命線でもあるコンパクトに好守でプレーするということが一番大事になる」

「ウルグアイに関しては厳しい南米予選を1位できているチーム。フル代表もそうだが堅守速攻で前線に非常に能力の高い選手がいるので、そこらへんのバランスを保った中でカウンターも含めてしっかりリスク管理をしながら戦わなくてはいけない」

「イタリアに関してはヨーロッパ予選を2位で勝ち抜いてきたチーム。当然、試合巧者で我々としては速いテンポでサッカーをしたいが、そこを防いでくるというのは十分考えられる。そういった中でも焦れずに我々のテンポでやっていきたい。当然20歳が若いとは言ってはいけないが、初めての経験。初戦がいずれにしても波に乗れるチャンスでもだと思っている。準備も含めて南アフリカ戦が当然大事になってくる」

――10年間、この世代が世界大会に出ることができなかったが今大会出場できることで日本のサッカーが成長しているという実感はあるか

「今まで4大会で、決勝トーナメント1回戦で負けていた。それが昨年ではリオ オリンピックの代表チームがアジアを制して、U-17も世界への切符を掴み、我々もアジアのチャンピオンになった。3カテゴリーが結果を出した。育成年代が間違った方向に行っていればそういう結果は出ないと思っている。今回出る選手に関しては世界の本当の厳しい、本気の戦いを経験することが次の東京オリンピック、そしてフル代表につながっていく。そういった部分では恐れず、アジアのチャンピオンの誇りを持ってアグレッシブに戦っていきたい」

――今大会の目標は

「グループステージを突破して一つでも多くゲームをしたい。そして、やはりやる以上は頂点を目指して頑張りたい」

――チームのキャプテンは引き続きMF坂井大将(大分トリニータ)に任せるのか

「そうですね。彼はブラジルW杯のバックアップメンバー、U-17の世界大会、1次予選からの経験も含めて、ピッチ内外でもバランス感覚が優れている。声を出してというタイプではないが、チームを冷静に引っ張ってくれる。そういったところで継続してキャプテンを任せたいと思っている」

――FW久保建英(FC東京U-18)に対する評価とアルゼンチン遠征からチームに馴染んできているか

「久保に関しては、J3でも出場していたこととU-16のアジアの予選を含めて、代表の中で彼はサニックス杯に15歳で出場していた。その試合を観た中で、彼はサッカーで一番難しいとされる自分が何をできるかということをよくわかっている選手。適応能力も早い。攻撃に関しては変化ももたらすことができる。グループでの時間というのは代表選手はどうしても短い中で、判断能力が高いというのを感じた。フィットするのにそんなに難しくないと予測している。そういう理由で招集した」

「判断等、的確なプレーと攻撃の精度が高い選手がより高いレベルでより早く経験した方が彼のために非常に良いと思っている。アルゼンチン遠征から国内、ドイツのキャンプで成長の速度が速いと感じている。そういった部分も含めて彼のような選手には早く良い環境を与えたほうが効果が出るというのが久保に関する評価」

――U-20というのは世界では育成の総仕上げと言われているが、この大会に日本が出る意義は

「チーム全体としても世界に出ていくことが今後、自分に足りないところや自分が何をしなくてはいないのか、グループとして何が必要なのか、もちろん勝って上まで行きたいが、そういった現実もしっかり見られる大会だと思っている。真剣勝負の中で、ゲームの流れも含めてやはりやってみなくてはわからない。そういった部分は後々の東京オリンピック、フル代表につながっていくと思う。積み上げてきたものを怯えず、ネガティブに入らず、我慢する時間が増えるなどいろいろなことを経験すると思うが、勝負のところは細部に宿ると思っているので、良い準備をして的確にゲームをしていきたい。素晴らしい経験ができると思うのでアグレッシブにいきたい」

――MF市丸瑞希(ガンバ大阪)を選出したがボランチの選考基準は

「一つ、所属チームで板倉滉(川崎フロンターレ)、冨安健洋(アビスパ福岡)はボランチもしている。そういう部分で最初の相手には高さも必要で彼らをボランチとして考える手もあるかもしれない。市丸に関してはAFC U-19選手権で非常にテンポも良く、精度も高い。ゲームのリズムを作る、そういうゲームをしたいという時にはそれをこなすクオリティを持っていると思う。予選では特に、守備のところで原輝綺(アルビレックス新潟)が活躍してくれたが、今はクラブでサイドバックをやったりもして、J1でレギュラーを勝ち獲っている。守備に関してはユーティリティが非常に高い」

――FW田川亨介(サガン鳥栖)に期待することは

「これもユーティリティに関わることだが、前線に関しては堂安律(ガンバ大阪)、三好康児(川崎フロンターレ)がクラブでFWをやっている。タイプの部分で高さがあるのが小川航基(ジュビロ磐田)の一人しかいない。いろいろなタイプが前線に欲しいと思った中で、田川はU-16で観ていて、左足、スピード、高さを持っていて気になっていた選手だった。クラブでは途中出場ではあるが、スピードを活かした明確なゴール前の動きなど特徴が出てきていたので、前線に関しては特にちょっと違ったタイプが欲しかった」