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名古屋大学(名大)は4月28日、情動ストレスが高尿酸血症を促進する機序を明らかにしたと発表した。

同成果は、名古屋大学医学部附属病院 竹下享典講師、名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科学 室原豊明教授、大学院生のメメット・イスリー氏、名古屋大学医学部附属病院検査部 松下正教授、修文大学 丹羽利充学長らの研究グルーフによるもので、4月28日付けの英国科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

高尿酸血症は、尿酸の産生の亢進あるいは排泄の低下のため、血中の尿酸値が上昇する病態。濃度の上昇によって体内で結晶化した尿酸は、関節や腎臓などで蓄積し、炎症の原因となり、関節においては痛風発作を、腎臓においては尿路結石や腎機能障害を引き起こす。

高尿酸血症の発症にはストレスが関与すると考えられてきたが、その詳細なメカニズムについては明らかになっていなかった。同研究グループはこれまでに、マウス拘束ストレスモデルを解析して、情動ストレスがメタボリック症候群と同様に、内臓脂肪に慢性炎症を引き起こし、インスリン感受性、血栓傾向を増悪させることを報告していた。

今回、同研究グループは、xanthine oxidoreductase(XOR)という、尿酸と活性酸素を産生させる酵素とストレスの関係について着目し、マウス拘束ストレスモデルを解析。ストレスによってXORが内臓脂肪、肝臓、小腸に誘導され、その結果、血清尿酸値が上昇し、さらに内臓脂肪に酸化ストレスと慢性炎症を惹起することを見出した。

また同研究グループは、尿酸代謝改善治療薬であるfebuxostatがXORを抑制し、ストレスによって増加していた尿酸値を低下させること、さらに、ストレスによって増悪していた内臓脂肪炎症、インスリン感受性、血栓傾向を改善することを明らかにした。

今回の研究成果について同研究グループは、ストレスを感じることの多い現代人こそ、高尿酸血症を治療することで糖尿病・血栓症を予防・抑制できる可能性を示したものであると説明している。

(周藤瞳美)