『PARKDOLL ONE MAN LIVE 「MONSTER」』のもよう

 “アルスワールド”の世界で絶大な人気を博しているK-POPスターのパクドルが21日、東京・TSUTAYA O-EASTでワンマンライブ『PARKDOLL ONE MAN LIVE 「MONSTER」』をおこなった。パクドルは19日に、日本デビュー1stアルバム『Yes...』をリリース。この日は、アルバム収録曲を中心に全15曲を披露。なかでも、アンコールでの「Perfect Match feat.HERO」では、パクドルの弟で、同曲にフィーチャリング参加しているHEROが韓国から生中継で参加。“国境”を越えた2人のコラボレーションにダラー(ファン)も喜びの表情を見せていた。

幾重の物語で示す世界観

ライブのもよう

 この日は、パクドルの妖艶な歌声、そして華麗なダンスだけではなく、ミュージカルを彷彿とさせる演出も織り交ぜていた。黒色の衣装で統一したダンスチーム、パクドラゴンに対して、白一色のパフォーマンス集団、TRIANGLE CONNECTION。

 彼らは、パクドルが歌い上げるそのバックで華麗に舞い、時には身体を絡ませ、その歌の世界観をより広大なものへと引き出させていた。その一方で、要所でミュージカルのようなダンスパフォーマンスを展開。そこでは、一つの財宝を巡る両者の駆け引きが描かれ、それらはやがてパクドルによって友和へと導かれる。

 本編最後の曲「Home」が披露される前に物語は結末を迎える。しかし、パクドルの圧巻のステージングに目を奪われ、それらの流れは気づく由もない。ライブを終えた後、我に返った時にハッと気づく。幾重の“仕掛け”をもって世界観を奥深く作りあげていたことを。歌、ダンスをもって物語を紡いでいた――。

ダイナミック且つセクシーな幕開け

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 パクドルは世界で活躍するスーパースターともあって、滅多にお目にかかれない。そのため、貴重な時間を少しでも長く過ごしたいと、開演前からフロアには多くのダラー(ファンの呼称)が詰めかけていた。

 開演時刻が過ぎて場内が暗転すると、ステージ両端の壁に設置された巨大なスクリーンに、地球や渋谷の街並み、夕焼けなどといった壮大な景色が映し出されていく。そのなかで、下手からは黒い衣装を着用した男性4人のパクドラゴンが、上手からは女性4人のパクドラゴンが、そしてステージ中央には、真っ白い衣装に身を包んだ、TRIANGLE CONNECTIONがそれぞれ姿を現し、その後ろからシルバーのロングコート姿のパクドルが登場した。

 パクドルの姿がはっきりと確認できた瞬間、フロアからは黄色い声援が飛んだ。その高揚感のなかで1曲目「Physical」が始まった。スタートからパクドルは身体全体を使って豪快に揺らすダンスを魅せつける。その勇ましさにダラーたちの身も心もワクワクドキドキ。その興奮の度合いは、場内で激しく揺れる緑色のペンライトにも表れていた。

 1曲目が終わり、身体の芯に響くようなダンスビートが流れ出す。そのなかで、シルバーのロングコートを脱ぎ捨てたパクドル。黒ジャケットの襟を走る金色のラインが眩い。音がかき消されそうなほどの大歓声を浴びながら「Lights Camera Action」を歌い上げる。胸の鼓動をダイレクトに表すように、女性4人のパクドラゴンとパクドルは交互に後ろから抱き寄せる。腕が胸元に触れる度に、歓声が上がった。

 大熱狂のなかで、暗転する。興奮を冷ますように、しばらく沈黙が流れる。そのなかでストリングスが入った壮大なインスト音楽がBGMとして流れ出す。明かりが戻されると同じタイミングでパクドラゴンとTRIANGLE CONNECTIONがステージに現れる。ここで、ミュージカルを彷彿させる演出が繰り広げられる。クラシックバレエのように、指先まで繊細に表現する。両者は一つの財宝を巡り、争っているようにもみえた。

妖艶なダンスパフォーマンス

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 幻想的な空気感からガラリと変わり、アグレッシブなダンスセクションへと入る。キレキレのダンスとともに、男性4人のパクドラゴンは、着用している黒ジャケットの先端を持ち、ヒラヒラと揺らす。テクニカルな動きに見せつけられたダラーたちのテンションはどんどん上昇していくばかりだった。

 ダンスセクションが終わると、ムーディーなサウンドが鳴り響き「Spend The Night」に突入。赤いバスローブ姿の女性4人のパクドラゴンをバックに、ワイングラスを片手に持ちながら踊るパクドル。その姿は、大人の麗しい表情をしていた。

 MCでは、パクドルが「アニョハセヨ。パクドルです。今日は僕のワンマンツアーにみなさん遊びに来てくださってありがとうございます」と流暢な日本語で挨拶。そして、ステージ中央に置かれたブラウンの椅子に腰を掛けると、生い立ちを語り始めた。

 「僕のお母さんは、韓国で元々女優をしてました。お母さんは、日本のお父さんと結婚しましたが、そのときにうちのお母さんは女優の仕事を引退。そして僕が生まれて、物心ついたときから僕は母親の意向でパクドルとしてデビューしました」

 その母親の姿をダラーに見てもらおうと、パクドル自らが描いた似顔絵を公開。決してうまくはないものの愛嬌のあるイラスト画に場内からは温かい笑いの声がこぼれた。

 MCが終わると、ピアノの音色が響き渡る。そのイントロだけで涙を誘うバラード曲「Sorry Sorry」を優しく歌い上げる。というサビに合わせながらフロアでは緑色のペンライトがユラユラと揺れる。その光景が曲の繊細な世界観をより際立たせていた。

 一転、薄暗い場内に、怒号にも似た雷の音が鳴り響く。そのなかで曲が始まる。アグレッシブなダンスナンバー「壊疑性ラプソディー」。パクドラゴンとTRIANGLE CONNECTIONは、バク転やバク宙などアクロバティックなパフォーマンスで曲の世界観を立体的に映し出していた。

愛とは…終演に向かう物語

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 再びステージは暗転。緊張感のなか扉がバタンと閉まる音が鳴る。その音を合図に、ステージ下手にある小さな舞台の扉が横に開く。そこにはパクドルの姿。ステージには、シャンデリアのようなオブジェが3つ。それを手で触りながら歩くパクドル。そのまま椅子に腰をかけて口を開く。「愛ってなんだ…?」。妙な雰囲気に会場からは笑いがこぼれた。

 そのなかでパクドルは愛について語りだす。

 「愛はとても苦しくて、愛はとても悲しくて、でも人は愛を求めて生きている。それは、愛を感じると幸せになるからだ。愛はこのように矛盾している。人は愛に飢え、愛を求め、愛は危険な甘い果実だ」

 切なさを掻き立てるストリングスが鳴り響く。パクドルは「悲しみのオットカジョ」に想いを乗せる。歌う様子も独特だった。壁に寄りかかったり、扉を抱きしめたり…その姿はダラーの“ツボ”にはまり、バラード曲にも関わらず大爆笑が。彼ならではの愛嬌で、ダラーの心をくすぐった。

 活発なダンスチューンで空気感を高ぶらせていく。そして、再び照明が落とされる。スクリーンには「人間の中身には2つの存在がある。闇の存在と光の存在」という文字。明かりが戻ると、全身白の衣装に身を包んだパクドルが登場する。人間の闇の部分と、光の部分を動きで表現しており、時折見せる笑顔とワイルドな表情がダラーたちの心を鷲掴みにしていた。

 暗転を挟んで再びパクラゴンとTRIANGLE CONNECTIONによる“ミュージカル”が繰り広げられる。今まで一つの財宝を巡り争ってきた両者が共倒れしてしまう。そこへパクドルが現れ、彼らに魔法をかける。すると両者が立ち上がる。対立していた両者が分かち合う。

 そして、ラスト曲「Home」を披露する。ステージ両サイドからシャボン玉が放たれていく。伸びやかなパクドルの歌声に乗せた<僕にはそれ以上大切なものはないから♪>という歌詞が、ダラーたちに向けた愛のメッセージのように感じさせた。全曲が終わると、パクドルはステージを降りていった。

HEROと国境を越えたコラボ

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 止まることのないダラーたちのアンコールの声に応えるかように、パクドルがもう一度ステージに登場すると、ダラーにサプライズプレゼントをしたい、ということで、パクドルの弟でもあるHEROに電話をかける。ただ、HEROはこの日、韓国にいるために生中継で参加するという形をとった。中継が始まるとスクリーンにHEROの姿が映され、2人のコミカルなトークへ。「ダラーのみなさんアニョハセヨ。パクドルの弟HEROです」とHEROが挨拶すると、会場は大興奮。

 「今日は僕に会いに来てくれたのに、ライブに行けなくてごめんね」というHEROの言葉に、パクドルは「HERO、今日は僕のライブだよ?」とツッコミ。HEROも「僕もパクだからパクドルにはなれるよ!!」と返した。

 そのHEROの案により兄弟の愛を歌った「Perfect Match feat.HERO」を披露。スクリーン越しでもHEROは笑顔で楽曲を歌い、パクドルも負けじとキレのある動きを見せながらパフォーマンスをしていた。

 全15曲が終わりを迎えるとパクドルは、出演していたパクドラゴンとTRIANGLE CONNECTIONを引き連れ、「今日はありがとうございました!!」と感謝の言葉を述べ、幕を閉じた。

 冒頭にも触れたように、この日のライブには壮大なメッセージが隠されていた。パクドラゴンとTRIANGLE CONNECTIONによる“ミュージカル”演出を通じてパクドルが伝えたかったものは、“争うだけでは欲しいものも得られない。互いに手を取り分かち合えば両者ともに得られる”ということだったのかもしれない。中盤でパクドルが述べた「愛とはなんだ」という言葉にもその意味が込められているのはないか、と、帰途についたとき、そう思ったのであった。

(取材=橋本美波)

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セットリスト

00.オープニング
01.Physical
02.LightsCameraAction
03.ダンスナンバー1
04.ハッピーな曲
05.Spend The Night
06.Sorry Sorry
07.壊疑性ラプソディー
08.悲しみのオットカジョ
09.ダンスナンバー2
10.マニマニ
11.韓国曲(タイトル未定)
12.SupaStar
13.MONSTER
14.HOME

En.01  Perfect Match feat.HERO