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帝国データバンクは4月28日、「大学発ベンチャー企業の実態調査」の結果を発表した。同調査は、4月時点の企業概要データベース「COSMOS2」のほか、信用調査報告書ファイル、その他の外部情報などを基に、大学発ベンチャー企業858社を集計・分析したもの。

同調査において「大学発ベンチャー企業」の定義は、次のいずれかに準ずるものとしている。大学の有する研究成果や特許を基に設立された企業、会社設立5年以内に大学の有する研究成果や特許取得・大学との共同研究等を行った企業、大学教職員および学生が設立した企業のうち事業内容が大学での研究内容等と関連がある企業、大学からの出資、TLO(技術移転機関)が設立に関与した企業。

最も多い業種はソフトウェアや医療関連などの「サービス業」で411社(構成比47.9%)。以降、多岐にわたる分野で大学との提携が見られた「製造業」(292社、同34.0%)、「卸売業」(120社、同14.0%)と続き、上位3業種で全体の9割以上を占める結果となった。

業種細分類別にみると、「受託開発ソフトウェア業」(98社、同11.4%)が全体の約1割を占め、研究開発した特許やノウハウ自体を提供する「技術提供業」(57社、同6.6%)や、「パッケージソフトウェア業」(33社、同3.8%)など、IT関連を中心とした企業が上位に。そのほか、医療機器や医薬品などの研究開発・製造を中心とするバイオ関連・医療関連の業種も上位となった。

社長の年齢は「60歳代」が最も多く211社(構成比28.2%)。次点は「50歳代」(185社、同24.7%)となった。また、研究成果を元に起業した学生や研究者などを含む「20歳代」(8社、同1.1%)や「30歳代」(73社、同9.8%)の社長も見られ、全体の約1割を占めた。

従業員数別では「5人以下(代表のみで経営を行っている企業を含む)」(510社、同59.4%)が最も多く、全体の約6割。「6〜20人以下」(231社、同26.9%)と合わせると、全体の約86.4%が従業員数20人以下という結果に。大学発ベンチャーの多くが少人数で構成された企業であることがわかった。

大学別のトップ3は「東京大学」(93社)、「東北大学」(43社)、「大阪大学」(42社)。9位の「慶應義塾大学」(26社)を除き、11校中10校が国立大学となったほか、全体の約1割を東京大学が占める結果となった。

また、私立大学では「慶應義塾大学」(26社)と「早稲田大学」(18社)が上位を占めたほか、「会津大学」「近畿大学」「東海大学」(いずれも13社)などが上位にランクインした。

本社所在地を都道府県別にみると、最も多かったのは「東京都」の236社(構成比27.5%)。2位の「神奈川県」(65社、同7.6%)と比較しても「東京都」が突出しており、約3割の大学発ベンチャーが東京都に本社を置いていることがわかった。

次に、大学発ベンチャー企業の業績について調査を実施した。2015年の業績が判明した大学発ベンチャーを売上高別にみたところ、最も多かったのは「5,000万円〜1億円未満」で377社(構成比46.1%)。以降、「1億円〜10億円未満」(260社、同31.8%)、「5,000万円未満」(145社、同17.7%)と続き、売上高10億円未満の企業が全体の9割以上を占めるなど、経営規模が小規模にとどまる企業が多いことがわかった。

また、大学発ベンチャーの過去10年間の売上高合計推移では、2008年のリーマン・ショック以降売上高は伸び悩んでいたが、2011年以降は増加。2015年では2007年以降最高となる約1,847億9,300万円を記録した。2007年(約2.53億円)以降減少傾向にあった1社当たりの売上高平均についても、2015年には約2.26億円までに回復している。

さらに、2015年の収益が判明した510社の損益動向をみると、全体の58.4%(298社)が「黒字」だった。業歴別にみると、設立から「5年未満」(47社)の企業は61.7%が赤字計上となり、「全体」の「赤字」(構成比41.6%)より20.1ptも高い結果となっている。

(CHIGAKO)