ニューヨーク・ミッドタウンにあるヴァンダービルトのレストラン街は、周辺で働くビジネスマンのランチスポットとなっている。そんなレストラン街で最近中国語の看板を掲げた軽食店の入り口に長蛇の列ができている。

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ニューヨーク・ミッドタウンにあるヴァンダービルトのレストラン街は、周辺で働くビジネスマンのランチスポットとなっている。そんなレストラン街で最近中国語の看板を掲げた軽食店の入り口に長蛇の列ができている。この店で売っているのは、米国では馴染みが薄いものの、中国では誰もが知っている「煎餅」(ジェンビン、中国風クレープ)だ。新華社が伝えた。

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「ミスター・ビン(Mr Bing)」の店主は、ブライアン・ゴールドバーグさん。生粋のニューヨーカーで、人々は彼のことを「金さん」と親しみを込めて呼んでいる。ブライアンさんは1977年生まれ、ボストン大学で中国語を学び、その後中国に留学した際に煎餅に出会い、大いに惹きつけられたという。プロのアスリートやメディア・金融業界人として長年のキャリアを積んだ後、彼は煎餅店をオープンすることを決心した。

「私は中国留学中、煎餅が大好きでよく食べていた。しかし、米国に戻ってから、温かいできたての煎餅を食べることができなくなった」と話す彼は、自ら煎餅店を開くことを決めた。ブライアンさんの煎餅店開業計画は、2001年、コロンビア大学商学部在籍中に生まれたものだった。当時受講していた科目で、ビジネス企画書を書くという課題が出された。彼が完成させた企画書の題名は、「ゴールドバーグの中国式クレープ」だった。彼はその時すでに、アイディアやプランは固まっていたが、資金が不足していたため、プランを実行に移すことができなかったのだ。そして今から5年前、彼の「煎餅ビジネス」がやっと香港で最初の一歩を踏み出した。

煎餅店をオープンすると決心したのち、ブライアンさんは数カ月かけて、北京、天津、山東の煎餅屋台を訪れ、数えきれないほどの煎餅を試食した。ついに彼は、北京で煎餅作りの修業に適した店である「小■煎餅(■は門がまえに三)」に出会うことができた。同店の班さんは、ブライアンさんに煎餅の作り方を教えてくれただけでなく、香港まで出向き、彼の店の従業員にも技術指導を行った。2年前、ブライアンさんはニューヨークに戻ると、現地の各地にポップアップ・ストア(期間限定の仮店舗)を開き、ニューヨーカーの反応を確かめた。煎餅が地元民に歓迎されたことを確認し、ブライアンさんはニューヨークで「ミスター・ビン」を正式にオープンすることにした。ニューヨーカーに販売する煎餅は、伝統的な中国の煎餅と全く同じものというわけではない。ブライアンさんは、米国人の好みに合わせ、煎餅の原材料の配合を調整した。腐乳(豆腐に麹をつけ、塩水中で発酵させた中国食品)を海鮮味噌に変え、油条(揚げパン)を揚げたワンタンの皮に変えた。さらには、野菜と各種味付けした肉をお客が選べるようにした。

ブライアンさんによると、米国人は、小麦粉があまりにも多い食品を好まず、肉を好むという。彼は何度も実験を繰り返し、ロースト・ダック味や酔鶏(紹興酒に鶏肉を漬け込んだもの)味などさまざまな味を開発した。現在の人気ナンバーワンはロースト・ダック味とプレーン味の煎餅だ。ミッドタウンのレストラン街にある店舗のほか、彼は下町チェルシー地区とフラットアイアンビルディング付近の店舗でも、大々的な改装を進めているという。今、彼の煎餅店は1日数百食を販売している。彼は、「お寿司やタコスは、米国人にとってかつては見慣れない食べ物だったが、今ではお馴染みの食べ物となっている。だから、我々の煎餅の商売も、将来もっと拡大していくと確信している」と自信満々に語った。(提供/人民網日本語版・編集/KM)